シニア猫の愛しさは玄人好み
先日、Xの相互FFさんが投稿したポストがバズりました!
ある人に年老いた猫のどこが可愛いの?って聞かれたことあるけど、これを見て可愛いと思わない人います?(可愛いと言ってくれ)😺#ハイシニア猫 #22歳#寝起きでポヤポヤ#老猫は可愛い pic.twitter.com/o1U6XGqCHu
— さくら (@tefu_tefu_cya) November 27, 2024
これは、シニア猫さんと暮らしたことが無い人にはなかなか理解できないかもしれません。しかし、ご経験のある方々による物凄い数のリプや画像が素晴らしい!読んでいて心が温まります…
仔猫が可愛いのは誰しもお分かりいただけると思います。
この「ベビーシェマ(=Baby Schema、ベビースキーマ)」とは、ドイツの動物行動学者であるコンラート・ローレンツ(1973年ノーベル医学生理学賞受賞)が提唱した概念で、外見的に「顔が丸い」、「目が大きく丸い」、「鼻が小さい」、「顎が小さい」、「頬が丸い」、「弾力のある柔らかい肌」などの特長があるとされます。
「幼い動物の身体的特徴をかわいいと感じる」のは動物行動学的には本能であり、その本能を利用して乳幼時期は「自分自身を可愛く見せることで保護者の養育反応を喚起させる」のが目的なのだそうです。
仔猫はまさにこれらの特徴を兼ね備えています。よちよち歩く姿とか、猫じゃらしをフリフリしたりとか、ちょっとしたことで大げさに反応したり、ゴハンを旨い旨いと言いながら食べたりと枚挙にいとまがありません。文句なしにカワイイです。
成猫でも若い猫さんは、眩しいばかりのエネルギーを発散していて、これまた可愛いものです。成猫さんも顔は丸くて目も大きく丸いですから、十分にベビーシェマを持ち合わせています。
加齢でベビーシェマは失われる
これが、シニア期に入るとこうした丸さという可愛らしさは少しずつ失われてきます。我が家の先代の三兄妹の場合、シニア期になったころから少しずつ体重が落ちてきました。もともとダイエットが必要と言われるくらい丸々した体躯で、高いところに飛び乗るのも苦労していましたが、少し体重が落ちて身軽になったと喜んでいたのですが、この頃から慢性腎臓病が徐々に身体を蝕んでいました。
慢性腎臓病が進むと、はち切れんばかりだった体躯も、撫でると背中がごつごつと骨を感じるまでに痩せていき、むちむちだった四肢も筋張ってきます。丸々していた顔も、変な話ですが、頬がこけてきます。慢性腎臓病になると脱水のせいか、目が少し吊り上がってきますし、目がよく見えなくなってきたのか、どこか目の焦点もあっていないような顔つきになってきます。
猫さんもシニアになってくれば、若い頃に比べるとハッキリ言えば外見的にはショボくれてきます。でも、これはにんげんも同じことです…猫さんはにんげんの4倍の早さで歳をとっていくので目立つだけです。私は先代の三兄妹を乳飲み子時代から看取りまで見てきましたので、老化というものを猫さんに教えてもらったと思っています。
シニア猫との濃ゆい関係
猫さんは独立心の強い生き物です。飼い主に甘えることはあってもどこか距離感のあります。これは三兄妹もそうで、乳飲み子から親代わりになって育てたにも関わらず、どこかキチンと線引きがされていた気がします。まあ、多くの猫好きな方はこうしたところにも惹かれるのでしょうけど。
我が家の場合、シニア猫になってきてからこの距離感が詰まってきたように思います。「思ったように出来ないから助けてね」と言っているのか、「もうどうでもいいや…やけくそ!」と思っているのかは分かりませんが、身体が弱ってきてからの距離感はそれまでにないものでした。
外見はショボくれても、粗相が増えても、床のあちこちを吐しゃ物だらけにしても、ダルそうにして心配をかけても、「ああ、飼い主がしっかりしないと…!」と庇護欲をかき立ててくるのです。これは経験したことのない人には分からない猫生が終わりに近づいた猫さんとの甘い時間なのです。この時の猫さんは、チビ時代や若猫時代と異なる可愛さに満ちています。
あの誇り高かった長女猫が、亡くなる一か月前くらいから、毎晩、猫団子を抜け出して、動かない脚を引きずって布団に入ってきてくれたことは忘れられません。(毎朝未明に布団でシッコしたことは許す)
ボロボロになっても頑張っていた長女猫の雄姿
「老猫が可愛くない」という意見、猫と暮らしたことが無い、暮らそうと思ったことがない人だったらまあそうだろうなと思います。猫さんと暮らしていてそう思う人はちょっと残念ですが、今後、猫ちゃんが歳をとってから経験すれば良いことかと…
割と長生きした三兄妹を看取ったこともあってか、個人的にはシニア猫さん、シニアのワンコは晩年の三兄妹と重ね合わせて、きっとああなんだろうな、こうなんだろうなと当時のことを思い出しつつ応援しています!
「歳をとって可愛くなくなったから」「病気になったから」などという理由で猫さんを遺棄するにんげんを私は許しません。そういうやつらは、にんげんとして持っておくべき大事なものが欠落しているとしか思えません。罰が当たりますように…
猫神様は全部お見通しだぞ!
シニア猫さんとの暮らし、個人的な経験から言えばとにかくペットシーツは大量に使いました。大事なところには吸水性の高い高級品、そうでないところはどんどん使い捨てするお安いのが便利。
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