公約「ペット殺処分ゼロ」への評価
小池百合子氏が東京都知事への立候補と選挙公約に愛玩動物の「殺処分ゼロ」を掲げたのは2016年。そして、2019年になって2018年の実績として「殺処分ゼロ」を達成したと明らかにしました。
まあ実際には、衰弱や病死したもの、譲渡が難しい個体については殺処分は行われていたようです。
ただ、殺処分ゼロに含む対象は、譲渡ができる状態にある動物だけだ。衰弱や病気、かみ癖があって譲渡できないと獣医師らが判断した場合は「動物福祉などの観点からの処分」として扱い、18年度は約150匹いた。環境省の部会でも、譲渡が適切でない犬猫の処分数を分ける試案が提言されている。都の担当者は「減らしていくことはできても、ゼロにするのは難しい」と話す。
個人的には、飼い主が手に負えないような噛み癖のある犬(躾が出来なかった飼い主の問題だと思うのですが)も居るでしょうし、病気や加齢で飼えないからという理由で保健所に持ち込む不逞の輩も少なくないと思います。
それでも譲渡を増やすなどして、譲渡出来そうな個体を可能な限り引き渡して殺処分数を減らしたことについて評価したいと思います。
小池百合子氏はワンコ派ですが、2021年に愛犬を亡くされてペットロスに苦しんだと報道されていましたが、新たにワンコを迎え入れたそうです。正解です!
統計から見えるショッキングな事実
実際にどれくらいの犬猫が保健所に行っているのかというのは、環境省がキチンと統計として毎年報告を出しています。しかし、中身を見るとクラクラするような内容です。
出典 : 環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
これは全国の統計ですが、猫に関して言えば引取全体のおよそ3万匹うち約1万匹が「飼い主から」となっています。そしてそのうちの約2,400匹が離乳前の幼猫だったとのこと…
令和の世にあって、飼い主が保健所に持ち込む猫ちゃんがまだこんなに居るんですか!
クラクラします。ふざけてるとしか言いようがありません。昨今では多頭飼育崩壊というケースもあるのかもしれませんが、こういうヒトは高齢になった時には公的補助を一切受けられないようにしてもイイんじゃないかと思っちゃいます。幼猫を持ち込むなんて…一族が末代まで祟られたらいいのに…
しかし、時系列でみれば引取数も殺処分数も圧倒的にその数は減っています。
出典 : 環境省 犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
猫に関して言えば、引取数は平成16年の237,246→令和4年の30,401で12.8%まで減少、殺処分数が238,929→9,472の4%まで減少しています。
平成16年は猫の引取数に対して返還・譲渡数は1割に満たなかったのが、令和4年には7割近くが返還・譲渡されています。
これは保健所さんが譲渡に頑張って下さっていることと、愛護団体や個人ボランティアの方々が保護施設や自宅に引き取って譲渡会等で新たな出会いを作る仕組みが機能している結果だと思います。
頭が下がります、本当にありがとうございます。
お役人さんもこうした統計をしっかり作ってくださっています。ありがたいことです。
増やさない+終生飼養する
見ていると口元が緩んで涎がでそうに可愛い幼猫を保健所に持ち込むというのも鬼畜の所業ですが、そもそも育てる気もないのに産ませてしまうのが問題なのです。
「自宅の軒先にやってくるお腹を空かせた可哀想な猫にゴハンをあげているうちにお腹が大きくなってあれよあれよという間に子どもを産んでしまって困ってしまって保健所に持ち込みました、私は悪くありません」、という考えなのかもしれませんが、今や行政も言ってますよね、「無責任な餌やりは止めましょう」。
お腹を空かせている猫が可哀想でゴハンをあげたくなる気持ちは分かります。ただ、そうした猫が居るならぜひ去勢・避妊手術をしてあげてください。去勢・避妊が可哀想なのであれば、ゴハンはあげないでください。生まれてくる仔猫はもっと可哀想です。貧困の連鎖はどこかで断ち切らねばならないのです…
公益財団法人日本動物愛護協会は、「飼い主のいない猫の不妊去勢手術助成事業」を行っています。
また、多くの自治体でも手術の助成を行っています。
全額は出ないかもしれませんが、お腹を空かせて彷徨い歩く猫を減らすために新たな可哀想な猫を産まないようお手伝いしていただけないでしょうか。
また、こうした活動に直接携わらなくても、保護猫を譲り受けることで、保護団体やボランティアさんは新しく猫を保護することができるようになります。
血統書がなくても猫ちゃんって可愛いのですよ!
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