【猫】慢性腎臓病(腎不全)の経過と考察 初期

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猫の腎不全はメジャーな病気

インターネットの検索でよく見られるキーワードに、「猫 腎不全」という組み合わせがあります。最近の定義では、慢性腎臓病から始まり、末期になると慢性腎不全という風に呼ばれるようになっているようです。肝心とか肝腎という言葉の通り、腎臓は肝臓や心臓とならぶ非常に重要な臓器です。

腎臓には血液を濾過してオシッコを作るネフロンという細胞の器官があり、猫では両方の腎臓で40万個あると言われています。このネフロン、老廃物等で詰まる等のダメージを受けると、濾過するという仕事を止めてしまって再生することがない使い捨ての器官です。

恐ろしいことに、血液検査等で腎臓に関する各種の数値に異常が出るころには腎臓の機能はかなり衰えていてしまっているというやっかいな慢性腎臓病。もう一つ厄介なのは、慢性腎臓病の初期には、猫にはほとんど異常が見られないので、「猫が腎臓病にかかっている」という実感を飼い主が抱きにくいという点です。私にとって初めての猫たちも、初期にはそれほど危機感はありませんでした。ステージ1や2くらいの時はほとんど気づかないんじゃないかな…。

猫の慢性腎臓病の経過(初期−中期)

ネフロンという器官が再生しない以上、慢性腎臓病は治ることが無い病気で、進行していく一方です。我が家の場合は、獣医師の奨めで早期に腎臓療法食に切り替えましたが、悲しいことにそれまでのゴハンに比べて圧倒的に食いつきが悪い…栄養成分を見ると、腎臓に良いのは間違いないのですが…。

早めに腎臓サポート食への切り替えを

しかし、慢性腎臓病に対する基本は食餌療法です。慢性腎臓病の進行を遅らせるには、低リン+低タンパク質のフードを与えることが最も重要な手段です。獣医師によっては、「療法食以外を与えてはいけない」という先生もいらっしゃいますが、個人的には食いつきの悪いフードのみを与えて食べなくなって体重を減らしてしまうよりは、トッピング等を使ってでも、療法食をたくさん食べてもらえるように工夫した方が良いと思います。というのも、腎臓病で食餌量の減少により体重(特に筋肉)を落としてしまうと、元に戻すのは相当に難しくなります。初期から中期の段階で、体重を維持することが非常に重要だと感じています。

多尿に対応できるよう水を飲ませましょう

次に重要なのは、猫が飲む水の量を増やすということです。猫は祖先が砂漠地帯の生き物ということもあり、猫の腎臓は少ない飲水量でも良いように、オシッコを凝縮させて水分を体内に再吸収するという優れた機能を持っています。なので、もともと水をたくさん飲む動物ではありません。ただ、腎臓が弱ってくると、濾過する能力が落ちるとともに、水分を再吸収する力も落ちるのか、オシッコの回数や量が増えてきます。いわゆる「多尿」という状態です。

飲む水の量はそのままで、多尿になるとどうなるかというと、身体に水分が足りない状態、「脱水」状態になってきます。

脱水してくると血液の水分量も減ってくるので、腎臓は、水分の少ない濃い血液を濾過することになりますので、これがまたネフロンにとっては負担になりダメージを負いやすくなって、腎臓病がさらに進行するという悪循環になります。

脱水 = 排尿量 > 飲水量

飲水量と排尿量がバランスしてくれれば、多尿な状態でも脱水は避けられます。初期の段階では、多尿といってもまださほどの量ではないので、飲水する機会を増やす(水場を増やす、ファウンテンを導入したり、色々な素材の容器を使って目新しさを演出する)などで、飲水量が増えるような工夫をすると良いと思います。

14歳の長女猫。色んなお皿を試しました。あと高さも。

ただ、「猫ちゃんのオシッコが多いから水を減らそう」というのは絶対にNGです。腎臓の寿命を縮めてしまう悪手です!!

皮下輸液がQOLを維持します

それでもどうしても脱水することが増えてきたら、定期的に通院して皮下点滴(輸液)をする必要が出てきます。脱水すると食欲も落ちることが増えます。病院で皮下輸液してもらったら、家に帰ってゴハンをもりもり食べるようになることも多いです。また、皮下輸液することで、体内の水分の循環が良くなり、溜まりつつあった血中の毒素をどーんと排出できることもあるようで、これによりまた食欲が戻ることもあります。

初期から中期の段階だと、体の保水能力もまだ高いと思われるので、月イチや2週に1度での皮下輸液でも十分に効果があるでしょう。

腎不全末期の猫の看病を経験すると、月イチや2週に1度程度の通院輸液はなんてことないと思えるようになってしまいます…。

初期から中期の段階では余命は考えない

「慢性腎臓病です。この病気は治ることはありません」と言われても、じゃあウチの猫ちゃんはいつまで生きられるの?と悲嘆にくれることはありません。おそらく、初期から中期の段階で獣医さんに余命を聞いても、誰も答えられないと思います。

この段階であれば、諸々のコントロールをすれば十分に長生きすることが出来ると思います。我が家の猫たちも、12歳ごろから血液検査で「腎臓が悪くなってきている」と言われましたが、前述の通り、「ウチの猫たちのどこが悪いの?」と思ってたくらいです。

12歳の頃ですが、多少の毛割れがあるものの元気!

当時、猫の腎臓病に全くの無知だった私でも、その後はなんとかコントロールすることを覚え(失敗も多々ありましたが…)、長女猫と長男猫は17歳半まで生きて、次男猫は19歳の壁を超えてくれました。

この時点では悲嘆することなく、どうすれば、愛猫の生活の質を保ちながら元気に長生きしてもらえるかを考えて良い時期だと思います。

慢性腎臓病(慢性腎不全)の中期から末期については次の記事に続きます。

 

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