次男猫を見送って3年
七夕の季節になると思い出します。次男猫は2021年の7月6日に虹の橋に旅立ちました。
長女猫と長男猫の時のように突然のことではなく、長きにわたり闘病してそれに伴走し、最期の数日前からはオシッコが出なくなったりしていたので、心の準備は出来ていました。
朝になって荒い呼吸になって眼振が出ている姿を見て、「ああ、いよいよその時が来たか」と思いましたが、大きく息を吸った後に静かになった次男猫を見て、「もう苦しい思いをしなくていいんだな…」とホッとした気持ちになったのも事実です。
闘病中は、四肢の麻痺が出て寝たきりになったり、激しい痙攣を起こしたりと見守る方もツラかったのですが、本ニャンもシンドかったと思います。しかし亡くなる前日には家の中の好きだったところを自分の足で歩き回って確かめたりしてましたので、次男猫なりに何かを感じていたのかもしれませんし、それを見ていた私も「今夜がヤマ」だと思っていましたが、最後の夜は朝まで私の枕元で静かに寝てくれました。最後までエラいヤツでした。
振り返って今になって思うこと
先代の三兄妹を看取って、その後に姫ちゃんをお迎えした今も当時のことを色々と考えています。
自宅輸液は出来たほうが良い
慢性腎臓病は治る病気ではありません。腎臓の濾過機能が落ちる以上、多尿による脱水は避けられませんので基本的に輸液(点滴)で水分を補ってやる必要がありますが、通院になると人間にも猫にも負担になります。慢性腎臓病が進行してしまった場合は、獣医師さんと相談して在宅での輸液はできるようになったほうが猫さんにとっても飼い主にとっても良いと思います。
シニア食はかなり優秀
慢性腎臓病は、低たんぱく質の低リンの療法食による食餌療法が基本です。しかしながら、脱水などで食欲が落ちている時に美味しくないゴハンは食べようとしてくれません。若猫はお腹が空いてくればイヤイヤでも食べてくれますが、慢性腎臓病の猫は放って置くとホントに食べません…それが数日続くとやっかいな「肝リピドーシス」という肝臓病を誘発するリスクが高まります。肝リピドーシスについては、以下の記事がとてもわかり易いです。
体は飢餓状態になるとブドウ糖(炭水化物)以外のものをエネルギーとして燃やしてエネルギーを作ろうとします。そこで、カロリーの高い脂肪を燃やしてエネルギーにしようとしますが、そのためには肝臓で代謝を受けてグリコーゲンなどのエネルギー産生物質に変換させる必要があります。肥満した猫では食欲が少し落ちた時にすぐに大量の脂肪(コレステロールやトリグリセリドなど)が血液中に放出されるため、肝臓がそのキャパシティを超えてしまい、脂肪をエネルギーに変換することができなくなります。こうなると肝臓の細胞が脂肪組織と置き換わって蓄積してしまい、脂肪肝が発症します。その状態が続くと肝臓の細胞が破壊される肝硬変に発展します。
食べなかったら脂肪肝から肝硬変になってしまうという恐ろしい話…猫ちゃんにとって飢餓状態というのは良くないのです。猫の食欲廃絶とは恐ろしいのです。
あまりにも療法食を食べない時は、食べたくなるようなゴハンを出してあげても良いと思います。市販のシニア食は、低タンパクの低リンで高カロリーという腎臓用療法食に近いスペックを持っているものも多いのです。嗜好性も高く、食欲が落ちている猫さんにはオススメです。
強制給餌はやらないかな…
シリンジ等で食餌を取らせる強制給餌ですが、これはもうやりたくないな…と思ってます。一時的な食欲廃絶の場合のみ、上記の肝リピドーシスを避けるため緊急避難的に限るかな…と。
体重3〜4キロのシニア猫の場合は1日200Kcal程度が必要ですが、360Kcalのドライフードではざっくり60g程度が必要で、40Kcal/50g(袋)のウェットフードだと5袋分になります。さすがにそんなに強制給餌で与えるのは無理です…
「絶食はカラダに良くない」と思い込んでしまうと、「1日200Kcal必須!」となってしまってついつい無理やり与えようとしてしまいます。「もうちょっと…」とついつい与えすぎた結果、全部吐き戻してしまって、吐いた猫もがっくり、こちらも自己嫌悪で落ち込むという悲惨なことになります。
これはホントにツラかった…三兄妹の闘病中、このシリンジ給餌が一番イヤだったかもしれません。
個人的にも、歯が痛い時や胃が痛い時に「1日2,500Kcal必須!」と無理やり口に高カロリー食を詰め込まれるとツライと思うのです…
せいぜい絶食にならない程度に、少しずつ高頻度で食べさせる、飲ませる程度になるかと。
自分自身も大病もせず、健康な姫ちゃんと暮らしていると、健康ってありがたいなあとしみじみ思います。健康を維持すべく、気を付けて暮らしていかねば!
コメント
老猫の晩年のお世話。
何が良いのか悪いのか、足らないのかやり過ぎなのか。
もう何が何だか解らなくなって迷走し、挙げ句に自己嫌悪
何が正解だったのか、何をして欲しかったのか、何が嫌だったのか、言葉が通じない猫が相手ではこちらが勝手に良し悪しを想像するしかない事が多くて。
そんなある意味一方通行なお世話にあって「自宅輸液」だけは間違っていないと確信してました。
痩せ細って日に日に輸液が困難になっていったのですが、病院で先生から「この子に輸液が出来るなら新米獣医より上手ですよ」と誉めてもらったのは良い思い出
猫乃三時さん、こんにちは。
そうなんですよ…クスリ・サプリとかも効いていたのかどうかも難しく、お給餌も良かれと思ってやっても全部ゲローっと出されて自己嫌悪に…
ただ、自宅輸液だけは私もやって良かったと胸を張って言えます。
過去のことを言っても仕方ありませんが、もっと早く腹を括って茶トラ兄妹にもやっていればとは思います。
痩せていくと針が難しいんですよねー…今となっては思い出ですが。
サプリで言えば、「モエギタブ」はガチで良かったです。