今年の1月に虹の橋を渡った愛猫は、3年前に大病しています。
繊維肉腫という悪性の腫瘍、癌でした。結果として、懸念されていた再発や転移をすることなく、腎不全を主病として17歳半で虹の橋を渡りました。びっくりするくらい大規模な切除手術でしたが、傷はキレイに治り元気に回復しました。
この繊維肉腫という病気、割と猫ちゃんには多い病気のようです。愛猫が「癌」と診断されれば飼い主としてショックを受けないはずがありません。そんな飼い主さんご参考になればと思います。
※ 経緯が長いので、数回に分かれることをご了承ください。
きっかけは「なんかポチっとありますね」
14歳になり、腎臓機能に衰えが出てきた頃なので、定期的に健診していたころ。当時、通っていた動物病院は、割と触診というか撫でくりまわすことが多い病院だったのですが、その時、先生が「ん?」という顔をしながら、「腰のところにポチっとしたものがありますね」と仰せ。
触ってみると、被毛に隠れているものの確かに小さいかさぶたのような、吹き出物のようなものがあります。先生もその時は「消える可能性もあるのでしばらく様子をみましょうか。ただ、悪いものの可能性もありますので経過観察ということで」という診立てでした。
あたいに気軽に触らないでよ!
ちょっとずつ大きくなるポチっとしたヤツ
それ以来、撫でるたびに気にはしていたのですが、そのポチっとしたヤツは、ちょっとずつ大きくなっていきました。
急激に成長するという感じではなく、「あれ?大きくなったかな…どうだろな」くらいの速度でしたが、悪いものであって欲しくないという願望がそう思わせたのかもしれません。ただ、本猫は至って元気でしたし、気にする素振りもなく、そこをつまんでも痛がる様子もありませんで、普通に元気に暮らしてました。
しかし、願いもむなしく、「ポチっとしたの」は数か月後には「グリっとしたもの」に成長していき、先生もそれを確認したうえで、「大きくなってきているので腫瘤かもしれませんね、精密検査しましょう」ということに。
針で組織を取り出して外部に検査を依頼することになりましたが、注射で吸い上げた瘤のなかの組織の一部を顕微鏡でのぞいている先生の表情が、あまり芳しくなかったことを覚えています。
あたい、大丈夫なのかな…まさか不治の病?
結果は「悪性の疑いあり」
検査の結果では、「非上皮性悪性腫瘍」の疑いがあり「繊維肉腫」の可能性もあるとの結果。
端的に言えば、癌の可能性が非常に高い、ということ。
繊維肉腫の場合は、転移の有無を確認して、内臓等への転移が見られない場合は外科手術による切除が基本であり、また再発を防ぐためにも患部のがん組織のみならず近接する部位もごそっと切除するというなかなかの大手術になるということも聞きました。場合によっては、骨そのものや脚を落とすこともあるとか…。
猫の三兄妹も避妊・去勢手術くらいしか経験がなく、私自身も入院するほどの大病したことがありませんでしたので、非常にうろたえました…
え、どうしたらいいの?死んじゃうの?
切除後も再発の可能性が高い繊維肉腫
- 癌の進行をなすがままにして虹の橋に送り出す
- 手術による切除での完治に賭ける(失敗するリスクもある)
大手術も可哀そうだけど、死んじゃうってのは…イヤだなあ…
手術前ですが、この時はすでに繊維肉腫は進行中。
決め手になった経験者の声
大学病院での手術に決定
当時の掛かりつけ動物病院からは、3つの選択肢を提案されていました。
- 当病院で可能な限り切除する
- 初めから放射線治療もできる二次診療へ上診する
- その他、薬物療法等
この肉腫は最初から薬物療法をやってもあまり効果が見込めないとも言われていたので、いつも行っている動物病院で切除してもらうか、大規模な二次診療機関で切除してもらうかの二択です。
放射線治療っていうのもなあ…イメージが湧かないけど、やっぱりやらないとダメなのかな。
そこで先生が言った言葉が決定打になりました。
「ウチの病院でも切れますよ。手術そのものは組織切除なので成功事例はあります。結果、再発した子もいればしなかった子もいます。ただねえ…私も猫を飼っていますが、同じ状態だったら迷うことなく大学病院に行きますよ」
先生、正直過ぎでした。
結果として、大学病院への紹介状を書いてもらい、各種検査を経て手術をすることになるのですが、今になって思えば、先生の言うことが正しかった!
診察や手術、術後管理や放射線治療まで、いかんせん、機材が違う、スタッフの数が違うということを思い知ります。
まずは動物病院にて、大学病院での初診日時を予約してもらい、まずは診察を受けることになりました。
↓ 多くの患畜や飼い主さんがいる広い待合室では、キャリーはハード素材の方が猫も安心!
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