先代の猫たちと暮らし始めてびっくりしたのが、猫がよく吐く動物だということ。

食べ過ぎれば吐く、水を飲み過ぎれば吐く、猫草を食べれば吐く、お腹に毛玉が溜まれば吐く…長女猫はキャットタワー最上段から下界に吐くのを特技としていました…そんな生活を10年以上続けていたせいか、「猫は吐く生き物」だと慢心していたように思います。でも、老猫や病猫の嘔吐は、そう軽く見ていられないことがあります。
当時、通っていた動物病院で猫草を与えているという話をした時、獣医師の院長先生が「吐かせるのはどうかと思うけど…」と何とも微妙な表情をしていたことを思い出します。今は「吐いてしまうのは仕方ないけど、吐かせないようにする」に宗旨替えしていて、姫ちゃんも猫草は喜んで食べますが、2~3本食べてオシマイです。
その夜はいつもの嘔吐と違った
その日の異変も嘔吐が始まり。
次男猫は老猫になってからも吐くこと自体は珍しくありませんでした。だからその夜も、「また吐いちゃうか」くらいに思いましたが、その日は全然違ってました。
吐いたあと、明らかに様子がおかしい。呼吸が浅くて早い、身体に力が入らない、目付きがいつもと違う、立てなくなって失禁する…
長女猫が動物病院の診察台の上で、吐いたあとに意識を失ってそのまま旅立ったことを思い出して、頭のなかを良くない思いがぐるぐる…。
吐いて意識が飛ぶことがある
にんげんもそうですが、猫さんも強く吐いたとき、体の中では「迷走神経」という神経が働いて、心拍や血圧が一気に下がることがあります。それが強すぎると、「気絶」のように意識が落ちてしまうこともあり、身体が弱っている猫ちゃんなどは呼吸が止まってそのまま戻らないこともあります(長女猫は、そのまま戻ってきませんでした…)。

新型コロナワクチン接種のときも緊張や痛みで「迷走神経反射」が起きて気を失ったり気持ち悪くなったりする人が少なからず出ましたが、ワクチン接種という「精神的ストレス」ではなく、老猫や病猫では「強く吐くという身体的ストレス」によって起きることがあると考えれば良いでしょうか。老猫や病猫の場合は、もともとの体調の悪さと重なって、もっと深刻な状態になることもあるということです。
猫が「吐く」→「意識レベルが落ちる」状態は、危険なサインです。
深夜に猫が吐いてぐったりした!
老猫・病猫の次男猫が夜中に嘔吐後にぐったりして動かなって、ああ、もうダメかもしれないと思いながら病院に担ぎ込む準備をしつつ経過を観察していましたが、幸いなことに10分くらいで様子が落ち着いてきてキョトンとしながらも意識が戻ってきてくれました。
当時はてんかん発作かと思いましたが、痙攣とかはなかったので、嘔吐をきっかけに「迷走神経反射」が起き、心拍や血圧が下がって意識レベルが急激に落ちたのではないかと思われます。
こうしたことはどんな猫さんにも起きる可能性があります。老猫や病猫はその可能性は高いです。初めての場合、飼い主はパニックになります…慌ててしまいますが、まずは落ち着いて状況のご確認を。

確認ポイント
- 呼吸しているか(胸やお腹が動いているか)
- 呼吸が弱すぎないか/速すぎないか
- 呼びかけや接触に反応があるか
- 完全に脱力していないか
この数分の観察が、その後の判断にとても重要になります。この時、飼い主が出来ることはあまりありません。体が冷えないようタオルや毛布で包んだり、嘔吐物で窒息しないよう顔を横向きにするくらいでしょうか…
何より、可能であればスマホで動画撮影を。その動画が後で獣医師に状態を理解してもらえる材料になります。こういう時こそ、スマホ動画という文明の利器を!
即受診を検討すべきサイン
次のような状態があれば、受診をためらわない方が安全かと。
- 呼吸が止まっている、または極端に弱い
- ぐったりしていて呼びかけても反応がほとんどない
- 歯ぐきが白っぽい・紫っぽい
- 体が冷たい
こうした場合は、「少し様子を見る」よりもそのまま悪化するリスクの方が高い状態です。可能であれば、夜間救急病院への受診をご検討ください。深夜でも動ける準備だけはしておくと、いざという時に慌てずに済みます。
夜間対応の動物病院に電話するのも一つの方法かと思いますが、かかりつけ医でなければ「診てみないと確かなことは分からない」と言われるのが現実かと思います。可能であれば、夜間救急に担ぎ込む、出来ないのであれば翌日になるべく早く受診、となるのではないでしょうか。
また、本猫が要求してこないのであれば、無理に食べさせたり水を飲ませたりしない方が良いかと思います。
「吐くのは普通」と考えない
猫は吐く生き物です。
嘔吐してそのまま亡くなった長女猫、吐いて意識レベル急降下で飼い主をパニックに陥れた次男猫。次男猫は老猫になって嘔吐から体調を崩すことも多かったです。吐かないに越したことはありません。
飼い主さんは愛猫が吐かないようにお気をつけください。吐いたらしばらくは目を離さず、呼吸や意識レベルに異変がないか確認してあげてください。「猫が吐くのは普通」と慣れるのは危険です。呼吸や意識レベルに気になることがあれば、早めにかかりつけの先生に相談することをおすすめします。
姫ちゃんは、せっせとブラッシングしていますので、年に数回、換毛期に毛玉を吐く程度です。ほぼ毎日ブラッシングしていても毛玉を吐くのです。ただ、年に数回しか吐かない猫が吐いたら結構パニックになります、飼い主が!
毛玉対策にはやっぱりこれ。


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