どうなれば勝ちだったんだっけ?
11月26日、西村コロナ担当大臣が、新型コロナウイルス感染拡大を「三週間で封じ込め」るよう国民に協力を要請しましたが、結果的には北海道を除いては感染拡大のトレンドはむしろ加速しています。
そもそも三週間でどうなれば勝ちになるのかという定義もなく、「勝負の三週間」という言葉だけが先行していたと思います。勝ちというからには、少なくとも、新規の感染者数が三週間後に同等以下になっていなければならなかったと思いますが、むしろ加速している現状では「負け」ということになるでしょう。
また、どうなれば勝ちになるのかと同時に、「負けたらどうなる」という定義も全くありませんでした。この三週間で負けたら緊急事態宣言を出すとか、外出制限を課すとか、「この勝負に負けたらエライことになる」と誰も思わなかったのも敗因の一つではないかと。
その点、メルケル首相の方がメッセージ性は非常に高いと思います。
「勝負の三週間で感染拡大が封じこめられなかったらロックダウンもあり得る」くらいのメッセージを出したら結果はまた違ったと思うんですが。
スローガンでは行動は変わらない
皆さん、ご存じのように、「火の用心!」と言ってるだけでは火事は無くならないのです。
誰だって火事なんてイヤなので、「火の用心」と言われりゃ、「はい」と答えますがな。
「ガスコンロの周りに可燃物を置かない」とか、「屋外に放火されやすい段ボールを放置しない」とか、「消火器はいつでも使えるように設置位置を確認する」とか、行動まで落とし込まないとあまり意味がないわけで。スローガンはたいてい、正しいですから。
例えば、職場やご自宅等で、最寄りの次に近い消火器や防火非常ベルがどこにあるかと聞かれれば、ちょっと答えられない人が多いのでは…(AEDになるともっと答えられないと思います)
初期消火には、なるべく多くの消火器があった方が良いですし、通報も早い方がいいわけですが、これらが火の元に近いと、次に近いものを利用せざるを得ません。こういうのは、「火の用心」「はい」というスローガンだけでは行動に落ちないわけです。
「勝負の三週間」に、「気を付けて行動して」だけでは結果が伴わないのも致し方ないかと思います。
「専門家の意見を聞きながら…」
とは言いながら、結局は新型コロナウイルス感染症対策分科会の意見はあまり聞き入れられなかったように思います。分科会は、11月20日の時点で「GO TO TRAVEL」については、かなり強い言葉で運用の見直しを提言していました。
感染拡大の早期の沈静化、そして人々の健康のための政府の英断を心からお願い申し上げる。
結果として、「GO TO TRAVEL」は勝負の三週間における最後の方まで見直しされることは無く、ちょいちょいと修正しながら見直したため、申し込んだ側も旅行代理店、宿泊施設側も振り回される結果になってしまいました。悪いことに、年末年始の書入れ時に全面中止ということに。
この「勝負の三週間」は、本来であれば忘年会や年末年始の帰省や旅行需要をにらんでの期間設定だったと思いますが、結果としては台無しという残念なことになってしまいました。
しかも、あんまりこういうのは言いたくないんだけど、内閣官房が作ったコロナのサイトがどうにもコレジャナイ感があります。
初音ミク、要るかなあ…
ズルズル行っちゃう感が怖い
このままずるずると行きそうな、凄くイヤーな感じがします。皆さんマスクはほとんどの方はしておられますが、検温とか消毒液の使用とかはむしろ第二波の時よりも減ってるんじゃないかな…。自粛疲れというか自粛慣れというか。
刺激的な「勝負の三週間」というスローガンでも結果は負けてしまいました。今後、感染しても感染症治療は受けられないかもしれないほど、医療体制は逼迫しているのに、「なんとかなるんじゃね」的な雰囲気がどこかにあるような印象を受けます。このままいくと、ロックダウンまで進行しちゃうような気がしています。
イタリアのローマでロックダウンを経験した特派員さんのブログがめちゃ生々しいです。
もし封鎖が行われる場合、突然実行されるので心の準備をしておいた方が良い。
実体験ですが、自宅待機が長く続くと、料理することも食べることにもやがて飽きてきます。動かないのでお腹も空かず、悪循環となります。様々なタイプの食べ物を用意しておくと乗り越えられます!
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