猫の慢性腎臓病に関する良記事!
何気なく読んでいた「ねこのきもち」。猫の慢性腎臓病に関するこの記事は、幅広い内容を分かりやすい言葉で無駄なく書かれていて、読んでいて気持ちよかったです。比較的、文字量の多い記事ですが、それを感じさせないところが素晴らしい…見習いたいところ。
慢性腎臓病の原因
慢性腎臓病の原因についても、さらっとでありながら幅広く例示されていて勉強になります。
腎不全の原因について項目のみを抜粋しますと以下の通りですが、原典にはそれぞれの説明の記載があります。
・年齢(高齢化)
・尿道閉塞
・急性腎障害
・炎症/感染
・免疫介在疾患
・うっ血性心不全(高血圧)
・糖尿病
・腫瘍
・脱水
・毒物/薬物
・品種・家族性
出典 : 猫の腎臓病とキャットフードについて|症状や対処法、療法食まで (ねこのきもち)
我が家の次男猫は高齢による慢性腎臓病だと思うのですが、兄妹猫もやはり慢性腎臓病になったことを考えると、遺伝的な要素もあったのかもしれません。若い猫ちゃんの場合は、結石による尿道閉塞からの急性腎障害を経て慢性化するケースが多いようですね。若い猫ちゃん、結石は要注意です。若い頃から水をたっぷり飲むことが出来る環境にしておくことが重要です。(知らなかった…)
慢性腎臓病の食事療法
「慢性腎臓病」の猫で注意が必要な栄養として、以下のような栄養素が注意とされていますが、これも本当にポイントを抑えていてイイと思います。
・リン
・たんぱく質
・脂肪
まずはリンを減らし、次にタンパク質を減らし、脂肪を多く摂ることの重要性がさらりと書かれています(超重要)。
「猫は肉食だから肉が多くてタンパク質が多いフードを摂らせなきゃ」という、健康な成猫と同じ感覚でフードを選ぶのは、弱り始めた腎臓によろしくない、ということをもっと早く知っておけば良かったと後悔しています…。
肉が多いフードはどうしてもリンもタンパク質も多くなってしまいます。どちらも必須栄養素なのですが、多すぎるリンは腎臓に負担をかけ、多すぎるタンパク質は尿毒素を生むというメカニズムです。
ウチも腎臓が悪くなり始めた頃に、最初に病院で提案されたサプリがこれだったかな。サプリ地獄の始まりです。
腎臓病になると、療法食による食事療法が基本になりますが、美味しい成猫用のフードからいきなり療法食になるとホントに食べないので、市販のシニア食(低リン+低タンパク+高カロリー)などをトッピング等で上手く使って移行するのがよいかと思います。最近の市販シニア食はかなり優秀です。
こちらは、オヤツ感覚の少量パックですが、総合栄養食の基準をクリアしていて、オヤツとしてもトッピングとしても使える優れモノ。
水分補給の重要性
慢性腎臓病の怖いところは、とにかくオシッコがたくさん出てしまうことで、脱水しやすくなることです。祖先のヤマネコ時代からのDNAのせいか、イエネコもさほど水を飲む習慣の無い生き物です。
それが、腎臓が悪くなるとジャージャーとオシッコが出てしまうので、あっというまに体内の水分が足りなくなり、脱水状態に陥ります。
「オシッコを減らすために水をあまり飲ませないようにしよう」というのは人間だったらいいのかもしれませんが(いや、良くない)、猫ちゃんにこれをやってしまうのは、絶対にNGです。
猫は、水分を摂る量が少ない代わりに、オシッコを体内で凝縮して水分を再吸収することで少ない水分で生きられるような仕組みになっています。しかし、腎臓が弱ると凝縮力も落ちてしまってジャージャーとオシッコで出てしまうのですが、その結果として再吸収できる水分も激減しています。こんな多尿の状態で、飲水量を減らすのは自殺行為です。むしろ、たくさん水を飲ませてオシッコをたくさん出させましょう。脱水が進むと、気持ち悪くなって水すら飲まなくなり、体調悪化がさらに加速するという悪循環になります。
「喉が乾いたら水を飲むだろう」というのは人間の考えで、猫ちゃんは必ずしもそのようには行動してくれません。むしろ、猫ちゃんの行動範囲のあちこちに水場を用意してあげて、「お!ここにも水が!」という感じで水を飲んでくれる機会を増やしてあげるのがよろしいかと。
慢性腎臓病は、とにかく脱水との戦いです…
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