なにか達成感のあることを…
ズボラな性格の私なので、子ども時代は宿題は結構ギリギリまでやらない方でした。こつこつやるというのがあまり得意ではないのです。毎年、24時間テレビをつけながら適当にこなすことが多かったような…
8月終わりのとある日曜日、観たいテレビもない、姫ちゃんはお昼寝で遊んでくれない、外に出るのは暑すぎる、かと言って家事をする気になれない…という時、なにがしかの達成感が得られることが無いかと考え、夏休みの自由研究がてらに10円玉を磨いてみようかと思いつきました。
最近はキャッシュレス決済が多くて現金を使う機会もあまりなく、小銭入れを使う機会も減っているのですが、探してみると幸いにも10円玉がちらほら。
一番古いのが昭和55年、次に古いのが昭和60年、もう一枚は平成23年。昭和60年の彼は、緑青も浮いてて相当に汚れています。可哀想に…
令和5年にあって昭和60年生まれは38歳、バリバリの働き盛りであります。(ちなみに令和5年現在、昭和55年生まれは43歳、平成23年生まれは12歳になります)
この世に出て40年前後になる10円玉くんたち、その貨幣人生においてどれくらい活躍してくれたんでしょうか…ということで、この昭和生まれの10円玉君たちをキレイにしてみようと思います。
まずはクエン酸で10円玉を洗浄
この「十円青銅貨」は 銅 95%+亜鉛 4%~3%+スズ 1%~2%でできています。一番古い昭和55年君も相当に汚れていますが、昭和60年君は緑青も相まって非常にくすんで見えます。まずはクエン酸水に使ってもらい、仕上げに重曹を足した炭酸風呂に入ってキレイになってもらいました。(クエン酸水に重曹を足すと炭酸ガスがいっぱい出るので汚れも落ちやすいのです!ビックリしますけど炭酸ガスなので安心です)
これだけでも結構キレイになるものです。昭和55年君なんかは見違えるように明るくなりました。しかし昭和60年君はまだこびりついた汚れが取れておらずイマイチです。
研磨剤で磨きます
そこでクレンザーで汚れ落とし…こびりついた手垢とかをこそげ落とします。クレンザーってなかなか強力な界面活性剤成分も入っているので、塗って拭き取るだけでも結構な汚れ落ちを見せるのですが、今回はお掃除に使う不要歯ブラシでごしごし。
次にピカールケアを使って仕上げ磨き。
見違えるように昭和60年くん(真ん中)も男前があがりました。
画像だと上手く撮れていないのですが、結構ピカピカです。
さすがに深い傷はとれませんでした。(マジで研磨したら取れるかもしれませんが、「貨幣損傷等取締法」という法律があり、貨幣を損傷させると罪になります)
第1項 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶしてはならない。
第2項 貨幣は、これを損傷し又は鋳つぶす目的で集めてはならない。
第3項 第1項又は前項の規定に違反した者は、これを1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。出典 : 貨幣損傷等取締法
貨幣を切ったり穴を開けたりするのは完全にアウトだとしても、ヤスリなどで削ってしまうと損傷と言えなくもないかと思います。しかしながら、研磨剤で汚れを落とす程度であれば問題ないかと思います。
ただ、ピカールケアの研磨成分はアルミナ系鉱物で、その硬度は9と銅の硬度3を大きく上回りますので、やりすぎは貨幣を摩耗させるので要注意です。まあそんなに磨く人もいないと思いますが、ピカールケア+研磨機とかは使わないほうが良さそうです。
ピカールケアは一家に一つあっても損のない研磨剤です。油性のペーストに上述の通りちゃんとした硬度の研磨成分が練りこまれています。粒度はおおよそ3㎛(!)だそうです。キッチンシンクのステンレスや、アクセサリーでも特に錆びやすいシルバーとかを磨くには大変よろしいかと。(ちょっと油臭いですが)
ちなみに、クレンザーのジフは、研磨成分はカルサイトで硬度は銅と同じくらい、粒径は数十㎛とかなり大きめです。
思いのほか、面白かったコイン磨き
昭和60年君も、久々にキレイな姿になって喜んでいるのではないかと。
ちなみに、昭和60年君の10円玉、同期生として昭和60年に335,150千枚も鋳造されているそうです。え?1年で3億枚も10円玉って作られるんだ…
しかしながら、小銭入れを見る限り、硬貨の多くは平成生まれで昭和生まれは少数派でした。かなりの割合ですでに回収されてしまっていると思われます。
キレイにしてあげたので長生きしてほしいな…。
しかし、キレイな硬貨は見ていて気持ち良いものです。小銭入れにピカピカの硬貨がはいっていると思うとそれが10円玉であっても気分がアガります。気分転換におススメです。
何より、昭和の硬貨が少なかったのにはビックリしました。そりゃそうですよね…昭和のあと、平成が30年以上もあったんだもんねえ…皆さんも一度、小銭入れの硬貨をながめてみてください!
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