皮下輸液で悩む方は多い
弊ブログにお越し下さる方は、検索エンジンで「皮下輸液」で検索されて来られる方が多いのです。自宅で行う皮下輸液については、動物病院の獣医師さんが丁寧に解説されていたり、飼い主さんご自身が動画や画像入りで説明されているブログなどがたくさんあり、今すぐハウツーを知りたい方はそちらをご参照されるのがよろしいかと思います。
しかし、見るのとやるのとでは違うものです。助手席からは簡単そうに見えたクルマの運転も、自動車教習所の第一段階でこんなに難しいもんかと絶句した方も多いと思いますが、そんな感じです。免許とって慣れたらなんてことないんですけどね…自宅での皮下輸液も初めて注射針を刺す時は手が震えるかも知れませんが、針を刺さねば先に進めないので慣れるにつれて粛々と出来るようになります。もちろん、ある程度慣れた今でも細心の注意を払っています。
Q : 自宅での輸液は独りでも出来る?
出来ます。
元気な猫ちゃんだと、逃げようとしますし我が家もそうでした。私は、後ろから馬乗りになるような形で両腿でホールドし、後ろから輸液をするスタイルです。次男猫は最初は逃げようとしましたが、今ではもう諦めていて、ご褒美のオヤツまで我慢と割り切っているようです。2人いればかなりラクに出来ると思います。ご家族がいれば、保定を手伝ってもらってください。
Q : 量はどれくらい?
これは獣医師さんとよくご相談ください。次男猫の場合、1日300mlがMaxで、自宅でやる時は50ml〜100mlを朝晩の2回+αで分けて入れています。獣医師さんからは、MAXの範囲内で、脱水状況を見て増減を判断するようにと言われています。輸液しすぎてもオシッコで出ればいいかもしれませんが、身体の中にとどまるのではなくて溜まるとちょっとやっかいなことになります。
Q : 頻度はどれくらい?
これは1日の輸液量との兼ね合いになりますが、こちらも獣医師さんとよくよくご相談ください。寝たきりで飲めない食えない時は、1日3回、100mlずつ入れてました。脱水している時間が少ないほうが良いので、個人的には自宅で出来るのであれば頻度は上げたほうが良いと思います。
Q : 費用はどれくらい?
これは動物病院によって違うと思います。輸液パック1つでいくら、輸液セット1つでいくら、注射針1本でいくら、で販売されることもあれば、一式でいくら、というところもあると思います。我が家の場合、500mlパック+輸液セット+注射針2本の一式価格が2,500円で、病院で輸液してもらうのと比較すると再診料が不要なだけで値段は代わりませんが、一回の通院費用で自宅では2〜3日輸液できるので、コスパはいいかな…
Q : 自宅輸液すれば通院しなくて良い?
輸液目的の通院はしなくて良いかもしれませんが、定期的な通院は必須です。触診してもらったり、心拍や呼吸を診てもらうことは大事だと思います。特に呼吸が苦しそうだったり、時間が経っても輸液で身体がぶよぶよしている状態だと却って輸液が害になる可能性があります。
Q : ぶっちゃけ、自宅輸液はやったほうが良い?
個人的には間違いなくやったほうが良いと思っています。
腎不全が進んで脱水しがちな猫ちゃんに対しては、輸液で脱水を防ぐと身体はラクになり、脱水による腎臓への負荷を減らす意味でも頻度を上げて輸液できたほうが良いと思います。
以前から弊ブログでは言及していますが、自宅でやらないとしても出来るようになっていると安心です。
安定して自宅輸液できるようになるには、「実際にやってみて得られる慣れ」が必要です。経験者のブログをいくら読んでいても、動画で手順を学習したとしても、また、動物病院で獣医師先生に見てもらいながら実習をやったとしても、家で実際に、皮をつまんで針を差す位置を探し、注射針を刺し、保定と針の固定をしながら輸液を終わらせる、というのはやってみないと覚えられれません。失敗しつつ泣きそうになりながら繰り返しやる必要があります。
「病院に行けそうにないから自宅で輸液を始めてみよう」では、なかなか出来ないと思います。必要があればやるしかないんでしょうけど、病状が悪化して切羽詰まってる時に輸液を失敗すると飼い主のメンタルがヤバいことになります。
獣医師先生に相談してみよう
獣医師によっては自宅輸液に否定的な先生もいらっしゃるので、こればっかりは飼い主の意見だけでは決められません。しかしながら、慢性腎不全など、定期的な輸液が必要で、かつその頻度が高くなりそうな場合は、是非とも相談してみてください。毎日のように通っていると、さすがに猫ちゃんのストレスも大きくなります。私は、「自宅で輸液してみようと思ってるんですが」と切り出したところ、「分かりました、何回分?」と聞き返されてそのままの流れで自宅輸液になりました。先生に指導してもらいながら病院で何回か皮下輸液を試させてもらうと安心です。ただし、病院では大人しい猫でも自宅では大人しいとは限りません。病院ではアウェーですが、自宅はホームなので、最初はそれなりに抵抗することが予想されますので、自宅でも何度かやっておく必要がありますよ!
次男猫は貧血対策として造血ホルモンの定期的な注射が必要なので、その日だけは通院して触診や全身状態のチェックをしてもらっています。
結論としては、勇気を出してもっと早くからやっておけば良かったと思っています。さすれば長男猫や長女猫の通院ストレスも少なくて済んだんだけどな…
あ、皮下輸液をされる際は、輸液量を調整するスライダーのようなクレンメの扱いにはくれぐれもご注意を。早く輸液を終わらせようと急いで針を抜こうとして、クレンメを閉じるのを忘れていると、輸液をぶちまけることになります…私は最初に何度かやらかしました!
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