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【猫】高齢猫の粗相の理由 

4 その他
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居ないと思ったら…

いつもはソファの上で毛布にくるまって寝ている次男猫、もうすぐ19歳。人間でいえば90歳を超えるお爺ちゃんです。若いころは、そりゃエネルギッシュで賢くて引き出しも引き戸もすいすいと開けてしまう技巧派だったもんです。

今日は寝床に居ないので慌てて探したら、トイレの手前で佇んでいるところを発見。なんか妙に晴れ晴れしてると思ったら、足元に水たまりがじょじょーっと…。

後片付けはペラッペラの安いペットシーツで吸わせた後、ペーパータオルと消臭スプレーで淡々と。これはもう仕方ないことです。寝床でしなかっただけ良かった…。

どうやら間に合わなかったみたい

以前は室内を飛ぶように走り回っていた次男猫。比喩ではなく、長女猫との追いかけ合いっこで、目の前の空中を二人が横切ったということも良くありました。

長男猫とも取っ組み合いの兄弟喧嘩もよくやっていましたな…。

そんなエネルギッシュな次男猫も、今は香箱を組むのもゆっくり、ゆっくり。寝返りを打つのもゆっくり、ゆっくり。どうやら、今日も、尿意で眼が覚めてトイレに向かったものの、その手前で我慢も力尽きて間に合わなかった模様です。

最近、分かってきたのですが、どうやら本猫も粗相は本意ではないようなのです。洗面所で粗相をすることも結構あるのですが、そこからよく「にゃーにゃー」とお呼びになります。まるで、「出ちゃったよー、早く掃除してー」と言わんばかりなのです。掃除をしていると鳴かなくなるので、ある程度、分かってるんじゃないかな…。

実は排尿って複雑なんです

我々も猫も何気なく行っているように思える排尿ですが、一連のプロセスを分解すると、

  1. 尿意を感じる
  2. 排泄する場所はトイレだと認識している
  3. トイレに移動する
  4. 下着をおろす
  5. 便器に座る
  6. 排泄する
  7. 後始末をする
  8. 衣類を整える
  9. 部屋に戻る

(猫は下着や衣類が無いので、「砂をカキカキ」するなどと読み替えてください)

と連続してスムーズに行っていますが、この過程のどこか一つでも問題が起こると、正常な排尿が難しくなります。漏れそうな時に、ジッパーが壊れたとか想像しただけでゾッとしますね…

論文になると、もっと凄い文章になります。

排尿機能が正常であるためには,自律神経系および随意神経系が完全であり,かつ尿路の筋肉が機能しなくてはならない。正常では,膀胱が充満すると膀胱壁の伸展受容器が刺激され,脊髄神経S2~S4から脊髄,そして感覚野へとインパルスが送られ,尿意が知覚される。容量の閾値は個人間で異なり,これが尿意を認識させる。一方,膀胱出口部の外尿道括約筋は随意神経の制御下にあり,通常は排尿の意思が定まるまで収縮している。

前頭葉の排尿中枢も排尿制御に関与している。排尿の意思が定まると,運動皮質内の隨意神経のシグナルによって排尿が開始される。そのインパルスは脳橋の排尿中枢に伝達され,そこでは膀胱全体の平滑筋(排尿筋)を収縮させるシグナル(副交感神経のコリン作動性神経線維経由)と,内尿道括約筋(α交感神経線維経由)ならびに横紋筋である外尿道括約筋および骨盤底筋を弛緩させるシグナルが同時に調整される( 正常な排尿は,膀胱収縮と尿道括約筋の弛緩が協調された場合に発生する)。正常な排尿機能に加えて,尿禁制と正常な排尿を維持するには,正常な認知機能(意欲を含む),歩行,トイレへの移動,および手の器用さが必要となる。

排尿に関与するいずれかの要素に損傷または機能障害があると,尿失禁または尿閉が起こりうる。

MSD マニュアル プロフェッショナル版 排尿の概要  より

ウチの猫の場合、簡単に言えば、尿道の括約筋が先に緩んじゃうってことなんだろうと理解しています。

「オシッコが出そう」と感じてからは、色々な要素や作業をこなしつつ、脳の神経と筋肉がそれぞれに調整しながらでないと正常なオシッコが出来ないということです。こうしてみると、凄く複雑なことやってるんだなあ…

なので、歳をとって頭や身体がスムーズに連携できなくなったら、多少のエラーは仕方が無いことなんじゃないかと思います。叱っても仕方ないことです。本ニャンも不本意みたいだし…

何より、括約筋を緩める神経がヤラれてしまうと、オシッコがでなくなります。こうなると命に関わります

出ないよりは出た方が良いのです。

エラーしても被害を小さく

こうなると、トイレはエラーするかもしれないという前提で臨むしかありません。

結果として、家の中はあちこちにペットシーツを広げるのと同時に、交換用のペットシーツもあちこちに積んであります。次男猫が好きなソファーも、介護用の防水シーツの上にタオルやフリースを広げてあるので見栄えは悪いのですが、布等への被害を抑えつつ、猫に気持ちよく過ごしてもらうには仕方のないこと。

ただ、人間の介護と同じく、洗濯する機会は増えますなー。ペットシーツと洗剤(と柔軟剤)、消臭スプレーの使用量は以前に比べて凄く増えました!(笑)

腎不全の猫のオシッコは、健康な猫のオシッコに比べればニオイは少ないですが、乾くとそれなりにニオイます…。

 

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