中等度の腎臓病に関する経過と考察はこちら。

寝たきり生活で一気に進行
長女猫と長男猫は寝たきりになってからは一気に腎臓病が進行しました。げっそり度が進んでくると、飼い主としても覚悟を決めなければいけない気分でした。ただ、どうしても最期の瞬間はイメージ出来ずじまい。
頑張ってたんだけどね…長男猫も。
その時は突然やってました。長女猫は通院して輸液した直後に診察台の上で嘔吐、意識を失い心停止…先生は懸命に蘇生処置をして下さいましたが、そのまま帰ってきませんでした…
長女猫に死後処置をしてもらってから意気消沈して帰宅し、キャリーから出した輸液治療を終えた長男猫、なぜか急に眼を見開いたまま激しく「うーうー」と唸りだし…慌てて病院に取って返しましたが、既に事切れておりました。。。尿毒症で苦しんだ感じではなく、どちらも突然死でした。
慢性腎不全になっても、必ずしも尿毒症で亡くなるとは限りません。
これも怖いことです。腎臓は血液を濾過してオシッコを作るだけの臓器ではありません。ミネラルバランスを調整したり、血圧調整や血液を作るためのホルモンを作ったり…腎機能が弱ると、全身に影響がでてくるようです。血液検査だけでなく、全身状況をよくよくケアしてあげないといけませんね…
ステージ3と4を行ったり来たり
18歳の誕生日ごろ。痩せてはいますが、まだふっくら。
次男猫は、血液検査による「Cre(クレアチニン)が5」というステージ4の壁を跨いで行ったり来たり。食欲のムラは大きくなりました。食べないと水も飲まないので脱水が進むという悪循環…
18歳を迎えた5月はホントに食べなくて…それでも夏を乗り越えたのですが、秋になると更に食べなくなり…秋の血液検査では、BUNが81でしたが、Creは3.75と腎臓はそれなりに維持できていました。ただ、腎性貧血がひどくなっていて、ヘマトクリットが16.4%にまで低下。「このままでは腎不全より先に貧血で死んじゃう」とかかりつけ医にも言われ、病院で定期的な造血ホルモンの注射を受けると同時に、自宅での皮下輸液を開始。通院での輸液代を節約して、浮いた分を造血ホルモン注射に回すという計算でした。
同時に食欲回復と元気度向上のためにラプロスも開始しました。最初は副反応もありましたが、安定すると食欲回復と便秘解消、活動度の改善がみられ、ホッとしました。
限界が見えた末期
19歳の誕生日を迎えたころ。これでも最末期に比べてまだまだ元気…
19歳の壁を超えて1ヶ月。次男猫が亡くなる1ヶ月前くらいから、食べるカリカリの量が日に日に減りはじめ、亡くなる1週間前にはカリカリを一粒も食べなくなりました。また、それまでは3時間に1回程度のオシッコだったのが、6〜8時間に1回程度にまで減少し、1日の総排尿量も激減。病院での診察では、針を刺して抜くほどの量は無いものの腹水が確認され、皮下輸液をしても吸収されにくくなっていました。血液検査をしてもらうと、見たこともないような数字。
Cre(クレアチニン)だけだったら、若くて体力のある猫ちゃんなら利尿剤と大量の輸液とか静脈点滴でひょっとしたら…ということもあるかもしれません…ただ、ここで我々はもう頑張らない宣言を出しています。個人的には、13を超えたCreの値に加え、腹水と乏尿がダメ押しになりました。
脱水はツラかろうと浮腫が出ないギリギリの量の皮下輸液は続け、最低限の栄養としてメルミルの介護食を与えていましたが、口臭はさらに強くなり、丈夫だったお腹もゲル状のウンチしか出なくなりました。この頃は次男猫もさすがにちょっとシンドかっただろうなと思います。
次男猫が亡くなったのは、食欲ががたっと落ちてから1ヶ月、自主的に食べなくなってから1週間でした。
腎不全の最期
我が家の三兄妹ともに慢性腎不全を患っていましたが、尿毒症で亡くなったのは次男猫だけ。長男猫や長女猫も、慢性腎不全が全身を蝕んでいたとは思いますが、直接の死因はよく分かりません。心筋症だったのか、血栓だったのか…
我が家の場合、三兄妹ともに後ろ足に来て寝たきりになった(次男猫は回復)ところは共通していますが、これも慢性腎不全が原因だったのかは分かりません。次男猫の場合、散発的に痙攣発作が出たり、斜頸も出たり…よく分からないことが次々と起こりました。
斜頸はびっくりしたなあ…
尿毒症の最期はかなり苦しむと聞いていましたが、次男猫の場合はこの世とのつながりが切れる時だけが苦しげでした。ただ、この最期の状況は猫ちゃんの個体差が相当に大きいようです。飼い主さんとして耐え難いほど苦しむ猫ちゃんも居るとのことです…このあたりの看取り方は、獣医師さんとご相談ください。
瞬間的にCreが5を超えてからも2年、次男猫は頑張ってくれました。色々ありながらも、比較的穏やかに時間を過ごせたと思います。次男猫が、投薬や輸液に協力的だったこともありがたかったです。
腎不全になってしまった猫ちゃんをいつまで、どのくらいまで治療したら良いのかというのは個々の猫ちゃんだったり、獣医師さんの治療方針、なにより飼い主さんのお考えによって変わってきます。私の経験では、長くはないとは思ってましたが、余命なんて分かりませんでした…何度も奇跡のような復活もありましたし。ただ、前日に強い死期を感じました。おかげで心の準備ができたところもあります。
愛猫の慢性腎不全に悩む飼い主さんも、余命とかを考えず、その時その時を大事にして寄り添ってあげてください。飼い主さんが落ち込んでいても苦しんでいる猫ちゃんの腎不全は良くはなりませんし、時間がもったいないですよ!(ただ、落ち込む気持ちはよくよく分かるのです…!)
最期の1週間については、「看取り日記」としてまとめてあります。ご参考になれば幸いです。
コメント