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【猫】ラプロス投与再開しました

1 猫
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高齢猫に多い腎不全

我が家の18歳の猫は、慢性腎不全で闘病しています。

慢性腎臓病(Chronic kidney disease; CKD)とは

  • 機能的または構造的な腎障害が長期間持続している状態を指します。
  • 高齢の猫でよくみられ、10歳以上では約30~40%が罹患、5歳以上の猫の死因第1位と報告されています。
  • 腎機能マーカーと最も相関する病理学的所見は尿細管間質の線維化です。
  • 間質の線維化は血流減少、低酸素および炎症と悪循環を形成し慢性腎臓病は不可逆的に進行していきます。

東レ株式会社 腎臓病の猫たちと、 そのご家族のために

猫飼いのなか、特にシニア猫飼いにおいてはこの腎不全というのは非常にポピュラーな病気で、シニア猫の多くが大なり小なりこの病気を抱えています。「BUNの数値が」「この間の検査でCreが…」というのは腎不全の猫飼いにとってのいわば共通言語のようなものです…

腎臓病は不可逆

腎臓は、血中の老廃物等を濾過する(水分や電解質など体に必要な成分を再吸収して血液中に戻しつつ老廃物はオシッコとして出す)という重要な機能を担っていますが、腎不全になると老廃物を濾しきれなくなり、必要な成分を再吸収できないという状態になります。

多発性嚢胞腎がよく分かるサイト より

特に顕著なのが、老廃物を濾しきれなくなるためにどんどん飲んでどんどん出す(多飲多尿)ことで、老廃物を体外に出し切ろうとします。飲水量が十分であればバランスが保てますが、オシッコ量>飲水量になると、当然のことながら体内の水分が減る「脱水」が進行していきます。

腎臓のなかで機能する濾過部分が加齢や病気の影響で減ってくると、残ったところにどんどん負荷がかかり、腎機能が低下する、という悪循環を繰り返していくということになりますが、この濾過するところは悪くなるともとには戻らない(=不可逆性)というのがイヤなところです。

人間でも腎不全は、心筋梗塞などを併発するリスクが高まり、悪化すれば透析腎移植を必要とすることになります。大事に使ってやらないといけませんね…

我が家も今や多飲多尿ですが、腎臓が尿を濃縮できないので、薄いオシッコがいっぱい出ます。これが濃縮されてないせいか、臭くないんです…掃除はラクなんですが、寂しくなります…

我が家のこれまでの投薬治療

我が家の場合、これまでは腎臓に悪影響のある高血圧の改善(ACE阻害薬)の「フォルテコール」や、選択性吸着性のある活性炭の「マイメジン」などを使ってきました。フォルテコールの効き目は体感は出来ませんが、マイメジンは投薬をお休みすると、体内に尿毒素が増えて気持ちが悪くなるのか元気が消失するので、我が家の場合はどうやら効いているようです。

腎不全になると多くの場合、高血圧になり、進行すれば貧血にもなります。そのせいか、ウチの猫は天気の変わり目、季節の変わり目にはかなり強く反応します。人間で言えば頭痛の片頭痛や親知らずが痛むようなものでしょうか。

フォルテコールは腎不全の悪化を加速する「高血圧を下げて腎臓への負担を減らす」、マイメジンは腎臓が濾しきれなかった毒素を吸着してウンチにして出すことで「気持ち悪さを改善する」ということで、主として腎臓そのものを保護するクスリではないようです。我が家はこの2つのお薬をメインに何とかコントロールしてきましたが、正直ジリ貧に陥ってしまっておりました。

腎臓そのものにアプローチするラプロス

東レ株式会社 腎臓病の猫たちと、 そのご家族のために

ラプロスというクスリは、どうやら腎臓の保護に直接アプローチするようです。一言で言えば、腎臓のなかで死ななないように生き残ってる組織が元気なままでいるように効くということでしょうか。不可逆なので死んだ組織が生き返ることはないのですが、次々と連鎖的に死に行きそうな組織に血流を良くして生き延びさせるというような。飼い主としては、元気になってくれればそれでいいんですけどね…

ラプロスの有効成分である「ベラプロストナトリウム」は、人間の原発性肺高血圧(原因疾患がないにもかかわらず肺動脈圧が上昇した疾患)に投与される医薬品です。どうしてこのクスリを腎不全の猫に試してみようとしたのかは全く分かりませんが、猫の腎不全に効くクスリを探しまくった動物医療関係者の皆さまのご努力には頭が下がります…。

我が家では一旦は中止…

満を持して投入した我が家ですが、このクスリの副作用か今になっては分かりませんが、ひどい胃腸炎を発症したため、一度は中止しています。因果関係は分かりませんが、投与して数日して発症したので…

胃腸炎も癒えて安定してきたところで、超少量でお試しを再開し、少しずつ容量を増やしているところですが、今のところ副作用といえる症状は出ていません。

ちなみに、クスリやサプリの錠剤を割るのにピルカッターは便利です。ラプロスは錠剤も小さいですしねえ…

ラプロスの効果は少し後に

ラプロスの効果が出るのは2ヶ月後ということで、血液検査等はまだ行っていないのですが、日々の暮らしのなかでちょっと良い傾向は出てきています。

  • 摂食量および飲水量の増加
  • 活動量も増加
  • 便秘が解消しつつある

自宅輸液を始めた時期ともかなり重なっているので、ラプロスだけの効果とは限りませんが、以前よりも体調が安定してきているのは間違いありません。特に、吸着活性炭のマイメジンについては、吸着した老廃物が便と一緒に排泄されないと効果が減るので、コンスタントにウンチとともに老廃物が排出されているということが活動量の増加につながっているのかもしれません。いずれにせよ、良い循環になりつつあるような期待感があります。

若返ることは望んでいませんが、元気に余生を過ごして欲しい…その一念です。この調子で摂食を維持して体重が増えて欲しい!今後も定期的に様子をレポートします。

上記の医薬品や治療についてはあくまで我が家のケースを記述しております。各ご家庭に猫ちゃんにつきましては、掛かりつけ等の動物病院の獣医さんとよくよくご相談なさってください。

吸着性活性炭は人間の腎臓病にも使われているそうです!

 

 

 

 

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