遅ればせながら読んでみた
猫ちゃんが闘病中の猫友さんが勧めていたこの本。(ネタバレ防止のため、中身の詳しい言及は避けます)
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リンパ腫に罹ってしまった雄猫のもすけと、飼い主の鈴木くんの漫画仕立ての物語。お読みになった方も多いかも知れません。昨年に長女猫と長男猫の看取りをして、今は次男猫のターミナルケアをやっている身としては、読み始めから飼い主の鈴木くんに感情移入をして読み始めました。もすけが亡くなって、実務を冷静にこなした後に、亡くなったことを実感した時の鈴木くんのシーンはちょっとヤバかった…そうなんだよなぁ…後でくるんだよなあ。
読後感としては、今、自分がやっていることはさほど間違っていないようだという安心感と、初めての看取りの前に読んでおけば良かったということです。私にとっては三兄妹は初めての猫ですし、猫が亡くなるということを今考えればイマイチよく分かっていなかったので、これを読んでおけば、もう少し心の準備が出来たような気がしました。
ただ、この本にも「何度、経験しても慣れることはない」というセンテンスが何度も出てくるので、いくら心の準備をしても仕方が無いのかも…看取った経験があるからこそ、理解できたこともたくさんあると思います。
ターミナル期は特別な時期ではなく、愛猫と紡いできた暮らしの延長線上にあります。ただ、普段とはちょっと違う工夫やコツが必要になりので、そうした最低限の知識や情報も掲載しました。同書 「はじめに」より抜粋
というように、投薬や強制給餌、自宅輸液のこともわかりやすく記載されていますので、猫を迎える前や、シニア期にさしかかりつつある猫ちゃんの飼い主さん、特に介護や看取りのご経験のない飼い主さんには是非とも読んでいただきたいと思います。ゴハンを食べたがらずに飼い主が右往左往するくだりなどは、分かり過ぎてツラいほどです。
「末期の対応に正解はない」
長女猫は病院で急変し、蘇生から最期までずっと横で看取れました。
その帰宅後、長男猫が急にうーうーと唸りだして、慌てて病院に連れて行ったのですが、着いた時にはすでに事切れていました…これが個人的には非常にトラウマになっていて、ずーっとモヤモヤしています。
あの状態で、病院に連れていったのが正しかったのか、あのまま家で看取るべきだったのか…次男猫も急患で担ぎ込んで息を吹き返したことがあります。長男猫は数時間前までは自分でカリカリを食べてたし、病院でももじもじしながら輸液されてたし、まさか亡くなるとは思ってなかったんですよね。
亡くなる数時間前。18年のラストショットは久々に自力でゴハンの場面。
この本に、「猫さんのタイミングで旅立つ」というフレーズがありました。
長男猫は旅立つタイミングだったし、次男猫はそうでなかったと考えると自分の気持ちはちょっと軽くなりました。正解は無いので、手を尽くすしか無いということでしょうか。しかし、どう考えても長男猫は長女猫のエスコートのために自ら選んで逝ったとしか思えないんですよねえ…飼い主に対しては最後は冷たかったなあ、あいつは!ただ、長女猫は独りの旅路にならなくて済んで良かったのかなあ。
人間のケアもお忘れなく
これは看病したり、看取ったりしたことの無い方にはちょっとイメージが湧かないかもしれませんが、看病・介護期の飼い主心理は結構テンパります。猫ちゃんとがっつり向き合えば向き合うほどに、気が抜けない時間が続くので、精神的な疲れが蓄積します。投薬やら夜鳴き、洗濯(激増します!)などで睡眠時間が短くなることもあると肉体的にも疲弊します…下僕がヘバッては、看病や介護にも影響が出ます。
この本でも、その点は取り上げられていました。看護・介護する飼い主のケアに言及するあたりは良い本だと思います。
若い頃はメンテナンスフリーな猫ちゃんでも、看病期・介護期は手がかかります。どうかご自身の息抜き、気分転換もお忘れなく!TwitterなどのSNSは、同じ経験をされている方も数多くいらっしゃいますので、何気ないやりとりで気持ちが通じることも多々あります。
ちなみに、私の好きな猫本は、「わたしのげぼく」。
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漫画の「プ~ねこ」も好きです。
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