猫との暮らし
我が家から猫が居なくなってもう3ヶ月近くが経とうとしています。かつては好奇心旺盛で活発な長男猫とクールで賢い次男猫、マイペースに見えるけど実は愛情深い長女猫というそれぞれ性格が異なる兄妹猫が我が家に居て、賑やかに暮らしていました。
兄妹で生後2週間くらいからずっと一緒に暮らしていたこともあり、彼らはなんの疑いもなく家族として仲良しでした。くっついて猫団子になり、暑くなればばらばらになり、また猫恋しくなればくっつくという毎日。どれほどその姿に私自身が癒やされていたのかと今更ながらに思うのです。
子猫の可愛さは圧倒的であり、無条件に可愛いです。以前、子猫の可愛さについては、ベビーシェマ(ベビースキーマ)という動物行動学的な概念で説明できると書きました。
しかし、老猫になってもやっぱり猫は可愛かったです。老猫になってからのゆっくりした仕草、お互いを尊重しあえる阿吽の呼吸がある関係への成長など、長く暮らした者同士の落ち着いた穏やかな時間というのもとてもいいものでした。また、介護期は大変でしたけど、それまで以上にお互いに濃密な時間となり、私の場合はほんの数ヶ月でしたが、思い出の量としてはとてつもなく大量なものになりました。
そして、このおよそ20年の間に、彼らが私に及ぼした影響というのはかなり大きいと思うのです。それもかなりポジティブな影響を与え、結果として私の人生観や価値観もかなり変えたと思います。
猫が私を変えたもの
年齢のせいもあるのでしょうが、猫たちとの暮らしを経て、以前に比べて性格は相当に丸くなったように思います。基本的には短気だし、思い込みが激しいというメンドクサイ性分なのですが、若いころに比べると河原の石なみに丸くなってると思います…
生活が猫第一主義に
日々の生活で、全てが猫中心になりました。朝起きた時や帰宅した時も、なにはさておき、最初にやるのは猫トイレの掃除でした。旅行にも行かなくなったし、転勤のある仕事も選ばなくなりました。猫グッズ以外の物欲が減りましたね、かなり…
諦めも肝心という気づき
諦めは良くなりました。「どうして○○ではないのか」とかという思い込みはかなり少なくなりました。猫たちが老猫になってからは特に。「(今は)○○出来なくても仕方ない」「出来なかった○○をするにはどうすればいいのか」と考えることが増えました。
昔より優しくなった?
ある種の諦めもあってか、ヒトに対しても昔に比べれば優しくなったように思います。「そういう考えもあるのかな」とか「そう出来ない理由があるんだろうな」とか。自分の考えや価値観を他人に押し付けることは減ったように思います。
こうしたことにより、結果的に、私自身が生きやすくなったんじゃないかと思うのです。これが、猫たちが私にくれた何よりのものではないかと。
まあ、私が怒る対象は、たいてい他の人も怒っているということがほとんどとなりました。よっぽど、というヤツです。
最近知り合った人からは「アイツは滅多に怒らない」と思われているようですが、嬉しいような不本意なような…
弱者への気持ちの変化
結果として、こうした生きやすさの反面、いわゆる弱者を攻撃するものに対するスタンスはかなり変わりました。
個人的に激しい怒りを覚えるようになったのが動物虐待です。これは本当に許せません。どういう気持ちでそういうことが出来るのか…理解できません。
また、犬猫や小動物への虐待は、徐々に攻撃対象が人へとエスカレートするようになりやすく、子どもや女性、高齢者などの弱いターゲットを選んでの行為に繋がります。自分のチカラを試してみたいのであれば、夜の繁華街で反社会的勢力の方々を相手にやってみればいいと思うのです。弱者を選ぶのはNGです。
高齢者へのオレオレ詐欺とかもホントに勘弁してもらいたい。オレオレ詐欺も、荒稼ぎしてそうな反社会的勢力を相手にやってみればいいのです。うまく行けば荒稼ぎできそうです。下手打ったときは…。
子猫の遺棄も許せませんが、それ以上に腹が立つのは老猫や老犬の遺棄です。「優しくなった?」私ですが、老猫(老犬)遺棄については絶対にその飼主を認めることは出来ません。もしも、自分の周囲にそんな輩が居たら、私は何をしでかすか分かりません。そういうヤツは無人島への流刑を処してもらいたい…!
猫は色んなものをくれました
猫を飼う、というと、猫には与えるばかりだと思われがちです。もちろん、猫は一部のタレント猫やユーチューバー猫を除いて稼ぐこともありませんし、家事をして帰宅を待ってくれることもありません。経済的な側面での生産性という点ではマイナス。しかも、病猫や老猫になると出費は加速度的に増えます。
しかし、私に関して言えば、猫たちが私にくれたものは物凄く大きなものでした。人生の価値観を変える存在ってなかなか出会えません。個人的には、19年以上続いた趣味なんて、読書や音楽以外にありませんから。猫たちが私にくれたものって凄いなと改めて思うのです。
きっと、弊ブログの読者の多くもそうではないかと思うのです。お宅の猫ちゃんもきっとそういう存在なのではないでしょうか。
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