今は元気な若い猫ちゃんも、人間よりも早く歳をとります。10歳頃からは気づかない程度に年齢を感じさせる行動が増えると思います。老猫を知らない猫飼いの方のご参考になればと、私の経験を書き留めておきます。
必ずやってくる老い
我が家に来た時はこの世の中にデビューしたてのピカピカのアイドルだった猫ズですが、年月を経て歳をとっていきました。私も年々歳をとっているわけですが、猫は人間よりも早く歳をとります。
花王 猫の生活事典より
上記のサイトでは、猫の1歳が人間の24歳に相当、その後1年ずつで人間の4歳相当の歳をとるということです。我が家の猫の場合、今は18歳半なので、人間で言えばちょうど90歳になる計算です。
今年の1月に虹の橋を渡った兄妹は17歳半でしたので、人間で言えば86歳。年齢に不足はありませんが、そんなに高齢だったのですね…
加齢で起きる老化初期
我が家では、加齢によるもの以上に腎不全で起きる様々な不調の方が目立ちました。ただ、不調に隠れて老化現象が目立たなかったのかもしれません。ただ、老猫の多くが患ってしまう腎臓病は、老化現象と切り離せないとも言えます。
我が家の場合は三兄妹が同じ年齢だったため、多少の出現差はありましたが、以下のようなことが中年期以降に起きてきました。
遊ぶことに興味が無くなる
依然は猫じゃらしを振れば、必ず全員がやってきて、順番で遊ぶのが普通でした。我が家の場合、3猫が交代で襲い掛かるので、人間は常にエンドレスの相手を強いられたものですが、そのうちに一人、二人と観戦のみ参加ということになり、最終的には猫じゃらしを振れども誰も来なくなるという非常に寂しい状態になりました。以前は遊んであげるのも一苦労でしたが、最終的には飼い主は寂しい思いをすることに…
寝る時間が増える
割と歳をとってからも「起きろー」と起こしに来る習慣は続きましたが、ゴハンを食べさせたり抱っこしたりすると、いそいそと寝床に戻っていくことが増えました。人間がテレビをみていても、足元ですりすりと頭をこすりつけたりすることも減り、膝上やソファの隣で一緒にテレビを観ている時間が長くなりました。それはそれで悪いことではありませんが、歳をとるとどうしても活動量は減っていきます。
ゴハンを食べ残すことが増える
以前は食欲の塊だった猫ズですが、帰宅するとカリカリが残っていることが増えました。オヤツはがつがつ食べるし、腎臓サポートのカリカリが美味しくないのかと思っていましたが、活動量の低下も相まって食欲そのものが落ちていたようです。今になって思えば、食べ始めは勢いよく食べるものの、食べる時間が短くなっていたように思います。
加齢で起きる老化中期
このあたりは、日々暮らしているとさほど気にならないレベルで進行していきます。ただ、血液検査の結果等から、獣医師さんからある程度の積極的なケアを勧められるかもしれません。飼い主的には、「え、そんな状態なの?」と思うかもしれません。しかし、年に一度の検査をするとしても、それは猫の身体にとっては4年おきということをお忘れなく…
痩せ、特に筋肉の減少
健康診断ごとに体重が減少してきます。家猫の多くが肥満っぽいことも多いため、「ダイエットに成功!」と喜んでしまうかもしれませんが、撫でた時に背骨に触れることが多くなるとか、手足が細くなったように感じる時はちょっと老化が進んでいるかもしれません。歩く姿がどこかゆっくりになったり、たまに走るとドタバタ言うように…
猫の足音が目立つのは関節炎を起こしている場合もあります。レントゲンを撮ると関節軟骨のすり減りや骨の変形などが起きているかもしれません。
毛割れ
以前はみっちりとそろっていた毛が、ぼそぼそして割れてくるような状態です。。またこのあたりからブラッシングしたらフケが目立つかもしれません。これは痩せというより、体内の水分が少なくなった脱水の兆候であれば、腎臓機能が落ちてきているのかもしれません。
便秘
若い頃は毎日きっちりとウンチをしていた我が家の猫ズですが、1日おきや2日おきになっていきました。運動量の低下、筋力の低下、食事量の低下、体内水分の減少などが関連すると思います。人間の場合、老化により各種の知覚が衰えるなかで直腸の便に対する知覚も衰えて便意を感じなくなるそうですが、猫にも同じようなことが起きているのかもしれません。
この時期、特に懸念される腎臓機能の低下は、早めの投薬で、病気の進行を遅らせることが出来、QOLの向上も期待できます。我が家は比較的早くからフォルテコールの投薬を始めました。それでも血液検査のたびに腎臓機能の低下が進んでいきました。あの時に投薬を始めていなければ、さらに腎不全の進行は早かったと思います。
加齢で起きる老化後期
老化はある時から加速度的に進んでいきます。半年や1年で怒涛のように進行するなあというのが私の実感です。
動かない…!
ゴハンにトイレ、寝床以外に興味をもたなくなります。
かつてはキャリーバッグの音がすると通院の気配を察してか手の届かないところに逃げ込んで震えていた猫も、なすがままに捕まえられて病院に連行できるようになります。当時はメンドクサイと思ったものですが、今になるとどこか寂しいものです。
以前は帰宅すると、扉の向こうから「お帰りー!早くこっち来ーい」と歓迎してくれた猫ズですが、歳をとってからは「あ、帰ってきてたんか?」みたいな態度になります。これは結構地味に堪えます。
尿量が多い!
腎不全になると、濾過濃縮する力が減るので、色もニオイも減りますが、そのぶん、オシッコの量がべらぼうに増えます。猫トイレの掃除をしていても少しずつ増えていくので気付きにくいかもしれません。多頭飼いだともっと分からなくなります。
花王 「月に1度の新習慣 オシッコチェックの方法」より
先日、ウチの猫の1度に出たシッコの重さを計ってみたら50グラムでした…同じ体重の健康な猫の約半日分…そりゃ脱水するわけです。
ゴロゴロ言わなくなった…(涙
昔はよくゴロゴロ言ってた三兄妹。猫団子からゴロゴロ三重唱が聞こえてくるのが日常でしたが、残っている彼は、撫でたり抱っこしたり大好きな「顎ごしごし」すると、うれしそうに眼は細めてくれますが、何故かゴロゴロは言わなくなりました。
猫がなぜゴロゴロ言うのかのメカニズムは分かっていませんので、なぜ言わなくなるのかも分からないとは思いますが。
老いても何の迷いも無い
人間で言えば90歳になるウチの猫。
自分が90歳だったら「身体が重い」だの「関節が痛い」だのと言ってそうです。想像もつきませんが、日常生活を送るにしてもかなりツライであろうと思います。
しかし、人間年齢86歳で亡くなった猫たちも生きることに何の迷いも無いようでした。出来る限り自力でトイレに行こうとし、ゴハンを食べようとして、生きることにおいて、人間や他猫への依存は全く感じませんでした。エライ…
私は猫たちにホントに色々と教わってるといまさらながらに思っています。
私の寝具は低反発ではありませんが…猫様が床ずれ起こすよりはいいよねえ…
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