猫は言葉を話せない
長年、猫たちと暮らしていると、言葉は通じないけれどもちょっとしたことで意思の疎通が図れる時も出てきます。顔を見れば、なんとなくですが猫の言いたいことや気持ちも分かります。
その一方で、猫は痛みや具合の悪いことを隠す習性があります。野生の名残で、弱さを見せると襲われたり縄張りを奪われたりするからだと言われています。なので、具合が悪そうに見える時は相当にシンドい状態なのだと思います。
当たり前のことですが、猫は言葉を話せません。「あの薬、めっちゃ効いたわー」とか、「今日は天気もいいし、気分もノリノリやー」などと言ってくれればどれだけ救われるか…(ただ、実際に明日の朝になって次男猫が「昨日は高いびきで良く寝てたなー」とか話しかけてくるとビックリするんですが)
その一方で、言葉は話せませんが猫がイヤだと思っていることはしっかり伝わります。「病院行くのイヤ」とか「シリンジのゴハンはイヤ」とか「薬飲むのイヤ」とか。それでも飼い主は、猫に良かれと思うことを粛々とやらねばならないのがツライ…
猫と相対していると孤独になる
度重なる投薬や強制給餌、通院などが続くと、猫自身も飼い主から距離を取ろうとすることがあります。そうした状態が続くと、飼い主としてはどうしても孤独感を感じることになります。
我が家の次男猫も、かつては通院のためにキャリーバッグを用意していると、気配を消して立ち去り、簡単に見つけられないところに隠れてしまいました…何度も。今もシリンジを持って近づくと、心から嫌そうな顔をすることがあります。愛猫に歓迎されない行為をし続けなければいけない時に飼い主が感じるのは孤独感だったり哀しみだったりです。
飼い主ご家族一同、皆が同じ温度感で猫ちゃんの介護が出来るのが理想ですが、家族間でも猫に対する温度差があったりすると、余計に孤独感を感じることになります。一人暮らしの猫飼いさんの場合は、家族の温度差とは無縁ですが、肝心の猫にそっぽを向かれるとどうしようもなく孤独です。
我が家でも、ゴハンをしっかり食べろとか、薬を飲んだら身体がラクになると口を酸っぱくして説明していますが、どうも次男猫にはあまり通じてはいないようで、お給餌のゴハンは飲み込まないわ、薬はぺっぺされるわで、このやり場のない孤独感をどうしたものかと途方にくれるのです。
飼い主しか判断できず追い詰められる
治療方針にしても、積極的に治療をするか、緩和療法にするか…答えは一つではありません。
ウチのかかりつけ医は、次男猫に対しては積極的な治療をあまり奨めてきません。彼のこれまでの経験上、次男猫に対してはもはや治療効果があまり望めないと思っているようにも感じられます。獣医さんは数多くの動物を診療されていて経験値は飼い主の比じゃないので、たぶん、まあその通りなんだろうとは思います。次男猫はストレスには弱い性格ですので、入院等の治療は却って悪くなる可能性があるとは何度か言われています。積極的治療を奨めて、効き目が無いと怒り出す飼い主も少なくないようですし…
私(=飼い主)からすると、家で日々を一緒に暮らしているので、次男猫をどうにかラクにしてやれないもんかと考え悩む日々なので、正直言えば、もうちょっとなんかが欲しいところ。ただ、病気や高齢で腎臓や肝臓が悪くなると、内臓の負担を考えると投薬等の治療の選択肢が狭まるのも事実。こうなると飼い主は結構心理的に追い詰められることになりますが、これも地味にメンタル的にキツいのです。
こうした飼い主の切羽詰まった状態を回避するためには、同じような状態の猫飼いさんとか、同じような温度感で猫と接することが出来る知人が居ると随分とラクになります。リアルでいらっしゃれば文句ナシですし、SNS等でのフォロワーさんが居るだけでも救われることが多々あります!
この記事を読んで、孤独感や追い詰められ感に苦しんでる方がちょっとでも肩の力が抜けたら嬉しいです。
苦しんだ後の判断が一番正しい
治療方針等の判断は飼い主の判断が正しいと一般的には言われます。しかし、なかには慢性病になったり高齢になった猫を遺棄する輩(そういうのは飼い主ではなく身勝手な鬼畜野郎です)もいるので、全ての飼い主の判断が正しいとは思いません。
ただ、猫ときちんと向き合い、高齢や病気にあれこれ悩んだ後の判断であれば、誰がなんと言おうとそれが正しいんだろうと思います。
ウチの次男猫も、例えば、長期入院して高栄養の静脈点滴を続けて透析治療なんかをすれば、今の状態よりも良くなる可能性もあります(一時的でしょうけど…)。ただ、次男猫の19歳という年齢と腎臓の状態(ステージⅣ)を考えると、私としてはその選択はしません…幸い、現時点では痛みや苦しさを訴えることもありませんが、そうなった時はそれらを取り除く(強制的に終わらせる)判断をするかもしれません。今は考えたくもありませんが、そうなった時のことは考えておく必要はあると思っています。ただ、現状やその時の判断を、これまでの経緯を知りもしない人にあれこれ言われたくはないかな…(言わせない!)。
とは言え、猫が一番孤独
飼い主があーだこーだとうじうじ考えてる一方で、病気で具合が悪いとか、高齢で思うように身体が動かないとかで一番不安なのは猫自身。気分が良くないのに、飼い主が色んなものを口の中に突っ込んでくるし、ワケが分からなくなって更に不安が増しているかもしれません。
猫よ、お前がご機嫌に楽しそうにして暮らしてくれれば、飼い主の孤独感なんて吹っ飛ぶんだぞ、協力してくれよ…
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