歳をとるとガタが来るのは人間も猫も同じ
昔は徹夜を2日やっても何とかなってた私、朝まで遊んでもちょっと寝れば仕事に行けた時代もありました。人間も自分が最も元気だった頃を基準に色々なことを考える傾向にあります。そして、猫に対しても同じように考えがちだったな、と思うことが増えました。
キャットフードも、8歳くらいからがミドル、12歳くらいからがシニアと定義づけしている製品が多いように思います。ウチの猫たちも若いころは相当な暴れん坊たちで、筋骨隆々の堂々たる体躯をしていましたが、12歳を超えたあたりから、背中を撫でると骨ばっているように感じるようになりました。
(2014年)三兄妹の12歳の冬。まだまだ元気そうです
猫の慢性腎不全、初期症状は分かりにくい
ウチの猫たちも15歳前後から血液検査や尿検査で「そろそろ腎臓のことも考えないと」という数値になり、定期的に検査しつつ腎臓サポートのフードに変えたりしていましたが、進行してくると、我が家の猫たちには以下のような症状が出始めました。
- 体重の減少
- 多尿
これも徐々に進行していたことと、3人の猫という他頭飼いであったため、腎機能の低下によるものだという認識に至るのが遅かったかもしれません。「歳だからね…」みたいな感じもありました。
何より、「腎不全なんてまだまだ先のこと」と高を括っていたところが大きいと思います。
今思えば、猫砂のオシッコの玉が以前に比べて大きくなっていると思った時点で、もっと手を打っておけば良かったと思います。
一番大きい長男猫は最盛期では8キロ近い体重があり、定期健診で「もう少し痩せた方が…」と言われていたくらいなので、「体重が減って健康的になった?」と楽観的だった当時の自分が恨めしい…腎臓サポート食はあまり美味しくないせいで食べないと決めつけていました(ただ、実際にあまり美味しくないみたいですけど)。
見事などえんどえん状態の長男猫
腎臓機能の低下による負のサイクル
多分、我が家に起こった腎不全の負のサイクルとして、以下のような流れを繰り返していたと思います。
- 多尿による脱水状態へ
- 脱水症状により身体がだるくなる
- 身体がだるく気持ち悪くなり、飲食の頻度・量が低下
- 脱水による腎臓への血流量低下
- 腎機能の低下による体内における老廃物の増加
- 腎臓への血流量を増大させるために血圧を上げる
- 溜まった老廃物を排出するための多尿 → 1へのループ
一時的に多尿になっても、3の段階でしっかり飲水していれば、この負のサイクルは断ち切れそうです。そのことにより腎臓への負担も軽減され、腎機能は健全に保たれるわけですが、これが少しずつ、それが日々、悪くなっていたのだと思います。一日単位では気づかない程度の悪化度で。老猫の体調には波があるので、「ああ、今日は体調が悪いのね」でやり過ごしていたところもあります。体力があると、多少体調が落ち込んでも自力で治癒できますし。
あと、腎臓が悪くなると高血圧になるので、気圧が大きく変動すると体調を崩すのは、高血圧による影響も大きいようです。猫が腎臓病を懸念され始めたときに処方されることが多い「フォルテコール」(ACE阻害薬)は、血液が高い圧力で腎臓に流入するのを避けるのが本来の目的のようですが、高血圧特有の症状(頭痛や吐き気)にも効果はあるのかもしれません。
猫は、お返事してくれないので分かりませんが…
体力のある間から対応を
獣医さんや愛猫を亡くした飼い主さんのブログを読んで、「気づいてあげられるのは飼い主さんだけ」「おかしいと思ったら病院へ」というのは、本当にその通りだと思います。
ただ、飼い主さんそれぞれにご事情があり、猫の性格やかかりつけ獣医さんの診察時間や相性など様々な要素があります。動物病院は、費用も高くなりますし、距離的なものもあるので気軽には行けないという事情もあると思います。なので、何が正しいのかは分かりません。
以前通っていた動物病院で、若手の獣医から「腎臓がこの数値だったらこのサプリを飲ませるべし」と、さも当然のように言われたことに腹を立てて病院を変えてしまったのですが(笑)が、彼の言ってたことは間違いではないと思います。言い方ややり方を間違えただけで…
私が言えるのは、「体力が落ちてしまってから手を打っても効果は低い」ということです。人間も同じですが、「元気があれば何でもできる(=なんとかなる)」というのは、健康面においてはホントにその通りだな…と。体力がどん底のときに強制給餌したらどんどん悪くなっちゃったもんな…
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