今回は、我が家で一人で行っている自宅での輸液方法について紹介いたします。
ウチの猫さん、ここ数年腎不全で闘病していましたが、今週に入って胃腸炎を併発し、全く食べない・飲まない状態となってしまいました。
強制給餌・給水を試みましたが、嘔吐や下痢で激しく反応することから、投薬と輸液のみ継続し、ゴハンや水は本猫が望むときに好きなようにという方針に変更しました。腎不全の場合、脱水がひどくなると尿毒が全身に回って本猫が苦しむことになりますので、しんどさを軽減するためにも、輸液だけは継続しています。成猫の場合、一日に必要となる水分は200ml以上ですが、強制給水で口から200mlを入れるのは想像以上に大変です。大きめのシリンジで10回以上やらないといけませんので…また、通院のたびに、キャリーバッグのなかでオシッコしたり下痢をしたりと通院そのものが今は大きなストレスになっているのも自宅輸液を決断した理由です。
我が家の場合、通院と違って自宅輸液は朝と晩の2回に分けて行っています(一度に大量に入れてもその後の排尿でドカンと出ていってしまいますので)。チクっとする回数が増えるのは可哀想ですが、身体への負荷を考えると回数を分けた方がいいように思います。自宅輸液も何度かやると人も猫も慣れてくるものです。元気に逃げ去ってしまったり暴れる猫へは難しいと思いますが、悲しいことに逃げまわる気力が無い状態だと割となんとかなります。
自宅輸液は、注射針の維持に一人、保定に一人と、二人以上でやることが望ましいです。輸液パックを圧迫するもう一人が居ても良いくらいです。我が家の場合、悲しいかな家族構成上の理由で一人でやらざるを得ないのです…
- とにかく輸液の前に出来る準備は全て済ませておく!(これ重要!)
- 輸液セットに注射針を取り付け、輸液パックにびん針を突き刺す
- 正座で猫に馬乗りするような状態になり両膝で猫をちょっと強めにホールド
- 肩から背中の皮をつまんで針を指す位置を決め、アルコール綿で消毒
- 注射針を皮下に入れる。皮を突き抜けるときに「プチっ」という感触あり
- 針が抜けないように7割の注意を払い、残り3割で保定を維持
- クレンメを緩めて輸液開始。点滴筒の流量を見ながら針の位置を微調整
- 目標量の投入が終わったらクレンメを閉じる
- 注射針を抜いてアルコール綿で圧迫。その後、止血を確認
慣れない時は、猫が動いて点滴液が漏れるということもありました。その場合は落ち着いてもう一度、針を刺し直すところからやり直し。点滴が終わってそそくさと針を抜いたところ、クレンメが開いたままだったため、点滴液を撒き散らすということもありました(笑)。意外と点滴液は結構な量で流れ出すのです。
また、動物病院では、ソルラクトや輸液セット、注射針も全部使い捨てのディスポーザブルですが、悲しいかな費用等の観点から自宅では500mlの輸液パックで125ml×4回を1セットとして使いまわしています。ごめんね…。注射針は医療廃棄物なので、使用後のものは動物病院に持っていって処分してもらうのが良いでしょう。
また、何mlを輸液で入れたかは、袋の目盛りを見て判断が付きますが、ウチのように500mlを複数回に分けて入れるような場合、吊り秤で確認するのが便利です。袋だと大体の目分量にしかなりませんので。
正直、自宅で自分の猫に輸液をやりたいという方は少ないと思いますし、出来ればやりたくないことと思います。ただ、総合的に見て、そうせざるを得ない場合もあります。そうなっている方や検討されている方に少しでもお役に立てれば幸いです。
元気がある猫ちゃんで保定が難しい場合や自宅輸液に慣れるまでは、保定バッグなどを使うのが良いです!
こちらも自宅輸液する方には評判いいですねえ…
なお、自宅輸液といっても「医療行為」ですので、獣医師先生ともよくご相談されてください。
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