加齢で腎臓機能が下がってると言われたら
先代の三兄妹はシニア期に入ると揃ってほぼ同時に慢性腎臓病となりました。
当時は年に1回、健康診断を受けていたのですが、血液検査の結果を見た獣医師から「腎臓の数値が悪くなってきましたね」と言われて初めて認識しました。
当時の私は猫の慢性腎臓病のことを何も知りませんでしたし、「こんなに元気なんだから療法食を食べて薬を飲めば治る」くらいに思っていたのです。無知とは恐ろしいものです。慢性腎臓病は治りません……
獣医師から勧められた療法食を与えるようになりましたが、それまでの総合栄養食に比べてどうも美味しくないようで、食が細くなっていきました。もともと、そろって大きめの猫たちで長男猫などは「ダイエットしたほうが…」と言われていたほどだったので体重が減って身軽になって「ダイエットになった」などと能天気なことを言っていましたが、これも悪手でした。
愛猫が慢性腎臓病になったら体重維持も重要です。というのも、慢性腎臓病が進むと食欲がガクンと落ちますし、脱水や尿毒症の影響で「食欲廃絶」となることが増えます。食べられなくなると足りないエネルギーを脂肪や筋肉を分解して使ってしまうのでみるみる体重が落ちてしまいます。
獣医師さんから「加齢の影響で腎臓の機能が落ちてますね」と言われたら、これまで以上に腎臓や肝臓に優しいフードをしっかり与えて体重維持を心がけてください!
腎臓病には療法食がベストだけど…
獣医師によっては「療法食以外は与えてはNG」というご指示だったりしますが、個人的には「療法食を食べることが望ましいが、食べないのが一番悪い」と思っています。お腹が空いたらイヤイヤながら食べることもありますが、猫さんによっては頑として食べないこともあります…
慢性腎臓病の猫ちゃんには、タンパク質の少ないフードがセオリーです。
タンパク質は生命活動に不可欠な栄養素ではありますが、消化のプロセスでタンパク質からアミノ酸に分解されるときに生成されるアンモニアは肝臓で代謝されて腎臓で濾過されて血液中にBUNとして放出されますが、過剰に摂取したタンパク質は肝臓や腎臓に負荷をかけてしまいます。BUNが高くなると猫さんも気持ち悪くなります。
ただBUNは脱水や心疾患、肝疾患でも高くなるのでゴハンだけの問題ではありません。特に脱水状態では顕著に高くなります!目立った脱水は見られないものの、BUNが高い傾向が続いている場合はゴハンの見直しも検討すべきかもしれません。
慢性腎臓病の猫飼いはフードジプシーに…
しかしながら、慢性腎臓病の猫飼いは、腎臓病の進行とともにゴハンの悩みがどんどん増えていきます。
脱水や尿毒素の影響か、とにかく食べなくなります。
若い頃は「食べ過ぎはダメ!」と言い続けてきた先代の長男猫も慢性腎臓病が進行するとホントに食べなくなりました。8キロ近くあった体重も末期になると3キロを切りました。撫でると背骨がごつごつ感じられて寂しくなっちゃったな…
シニア食が優秀!
私もあれこれとフードをさまよいましたが、キャットフードをあれこれ試した結果、意外と(失礼)国産フードのシニア食が優秀だとわかりました。
- 高カロリー+低タンパクのフードが多い
- 小容量の小分け包装で香りが飛びにくい
- 小粒で歯が悪くても食べやすいものが多い
以下、例としたコンボピュアキャットシニア用ドライの栄養成分です。
代謝エネルギー : 360kcal/100g
たんぱく質26.0%以上、脂質9.0%以上、粗繊維3.0%以下、灰分9.0%以下、水分10.0%以下、カルシウム0.6%以上、リン0.5%以上、マグネシウム0.11%(標準値)
ちょっとマグネシウムが多いので尿石ができやすいコは要注意かもしれませんが、カルシウムとのバランスを考えるとこれで良いのかな…AAFCO「総合栄養食」の基準において、たんぱく質とリン、カルシウムは下限値ギリギリで、結構攻めてるスペックです(逆に言えば腎臓病用の療法食は基本的に総合栄養食の基準を満たさない)。
しっかり療法食を食べてくれるなら問題ありませんが、食いつきが悪い場合はこうしたフードをトッピングしたり、あるいは腹を括ってこっちのフードをしっかり食べさせるのも手かと思います。コンボシリーズは次男猫も最後まで食べてくれたカリカリです。
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