コンパニオンアニマルという言葉があります。
人と長い歴史を共に暮らしてきた身近な動物を、伴侶や家族、友達と同様に位置づけてコンパニオンアニマルと呼ぶ。従来のペットのことで、日本では1985年頃から使われ始めた。人の生活の変化に伴って、その存在意義や価値、役割が変わり、近年の社会環境の中で見直され、家族の1人、社会の一員として位置づけられるようになっている。コンパニオンアニマルの条件は、人と共に暮らし、その動物の獣医学、習性や行動、人と動物の共通感染症が解明されていることで、現在、それらの代表は犬と猫。
(石田卓夫 日本臨床獣医学フォーラム代表 / 2007年)コンパニオンアニマルとは コトバンク
「伴侶や家族、友達と同様」の位置付けというのはペットと暮らすとよく分かります。社会の一員と言えるかは分かりませんが、家族の1人であることは間違いないです。
乳飲み子だった我が家の猫たちを迎えて、成長の各フェーズごとの猫の可愛さを整理してみます。
0歳ー1歳 文句なしに可愛い
守ってあげたいという母性本能のホルモンががんがん出ます。
日々大きくなる身体、以前は出来なかったことがどんどん出来るようになる成長、見ていても飽きることがありません。小さい身体でいろんなことにチャレンジしたり、なんにでも興味を持ってオモチャにして遊んでしまったり遊び疲れると電池が切れたようにコテッと寝てしまう全力で遊ぶ姿は、人間にも色々なことを教えてくれました。漲る~♪
1歳ー5歳 猫らしくて可愛い
尻尾を高らかに上げて音もなくしなやかに歩く姿はサバンナに居る猛獣の猫科と同じです。おもちゃやオヤツ、ゴハンを出す音がすると、どこからともなくスルスルとやってきて「まだ?」と目を真ん丸にして無言の要求をします。
「活き活きしている」という言葉が最も似合う、まさにエネルギーが有り余っている時期です。その一方で、その有り余るエネルギーは困ったイタズラにも費やされます。引き戸は開けて部屋を出ていくわ、引き出しを開けて中のものを検査するわ…あの重たい引き出しを必死な顔で開けているところを見られた時のバツの悪そうな顔を今でも思い出します。悪いことと分かっててもやめられないんだね…(笑)。我が家では夜な夜な運動会が開催されてました。
6歳ー10歳 賢くなって可愛い
猫じゃらしで遊んでいても、背後に隠した猫じゃらしに襲い掛かったり、猫じゃらしの軌跡を先読みして待ってたりします。兄妹でコンビネーションで猫じゃらしを狩ることも増えました。知恵がついたな…人間で言えば中年期の入口?いわゆる働き盛りの時期なのかも。
知恵がついてきたからか、人間に対する自己主張も結構激しくなりました。好き嫌いをはっきり言うというか…「このゴハンは食べたくない!」とか、「冷蔵庫にオヤツがあるのは知ってるぞ!」と主張するようになります。また、「こういう態度をとれば人間は折れる」というのも分かってきたようです…
ちなみに、この時期に我が家は東日本大震災を経験していますが、我が家の猫は震度4になるとソファの下に避難するというのが度重なる余震で判明しました。
11歳ー15歳 少し衰えても可愛い
運動量も減り、寝ている時間も長くなりますが、それだけゆっくり撫でる時間も長くとれます。時間の経過が若いころと比べてゆっくりと平和です。我が家の三兄妹も、取っ組み合いの喧嘩はしますが、追っかけて走り回ることが減りました。猫のくせに大人の対応です。
健康診断に行けば、ちょいちょい数字が悪くなり、「人間と同じだね」などと笑っていられる時期で、悪いところも治療をすればそれなりに良い反応がでます。
この時期難しいのが健康診断の結果が悪くなってきていても、見た目は以前とほとんど変わらないということです。振り返って写真を時系列でみていくと、このあたりから毛割れが起きているので、腎機能の低下による脱水が始まっていたのかもしれません…
元気なように見えても人間で言えば60歳から75歳の時期。家猫の平均寿命は15歳。この時期に病気を早期発見して早めの手当をしてあげることがその後の長生きにつながります。そろそろ下僕の度合いが試されます。
15歳ー 老猫は愛しい
人間でも15歳と言えば高校生。我が家の場合、雰囲気で意思の疎通ができるようなときも増えてきました。そのうち普通に「なあ、今日は寒いにゃー」とか言い出してもおかしくない気分がします。
私の場合、老猫になってからは普通に話すようになりましたが、なんとなく通じてるなと感じることが増えました。具合が悪そうにしていた長男に「大丈夫?」と声を掛けたら、垂らしていた尻尾をピン!と立てて返事してくれました…涙腺が崩壊しました。肉体年齢で言えば人間の80歳以上。15年も一緒に暮らしていれば、猫もそれなりに経験値をため込んでいるのでしょう。
仔猫とはまた違う可愛さです。仔猫とはまた違う儚さみたいな空気があります…可愛いというより愛しいという感情でしょうか。
ただ、いつお別れになるかは分かりません。年齢に不足は無いお年頃です。たくさん話しかけてたくさん撫でてあげてください。
我が家は2人は欠けてしまいましたが、残った1人と二人三脚(?)で今日も頑張ってます。
次男:腎不全と闘病中!
長男:2020年1月、17歳8か月で虹の橋を渡御
長女:2020年1月、17歳8か月で虹の橋を渡御
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