AIMって何ぞや?
ちょっと前からよく聞く猫のAIM(エーアイエム)。猫の腎不全に対する特効薬になるかもしれないと言われてきましたが、ここんとこ、このAIMの情報と露出が増えてきてます。
来月に、この研究をされている東京大学の宮崎徹教授が本を出版されることも影響しているのかもしれません。「猫が30歳まで生きる日」とは、最近、愛猫を亡くした身としては、何とも嬉しいタイトルです。
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個人的には、この宮崎教授の研究されている、血液中のタンパク質であるAIM(apoptosis inhibitor of macrophage;CD5L)については、ちょっと気にはなっていて、これまでも記事などが出れば読んではおりました。
5年ほど前には、こういうプレスリリースも出ています。
人間にも猫にも血液のなかにAIMというタンパク質はあるのですが、人間のAIMは腎臓の尿に濾過するところがゴミで詰まるとそのゴミ掃除に出動していくのに対し、何故か猫のAIMは出動しないのだそうで…何故じゃ!
画像出典 : 上記のプレスリリースより
これまでのクスリのように、血圧を下げて腎臓内の血流を改善するとかではなく、腎臓が長期に渡って健全に働けるようにするという意味で、非常に本質的なクスリのような印象を受けます。
実験でも効いてるみたい!
宮崎教授以外の研究者も、このAIMについては研究をされていて、発表もされています。
これらの試験の結果から、AIMの効果と反応マーカーとして有望な項目が、より明確化され、数値の改善だけでなく、QOLの改善も見られ、食欲向上、活動性の復活などの報告も受けた。一方、AIMの投与によっても、変化が見られない猫や途中離脱を希望する場合もあり、さらなる投与法や、AIM形状の改善なども併せて検討していく必要性を感じた。引用:自然発症の慢性腎不全猫へのAIM臨床投与と腎機能マーカーの確立 (森信子) ※ 太字は筆者
しかし、3年に渡る研究への交付金、300万円ですか…もっとかかるような気が…
ただ、現時点ではAIM製剤は冷凍保存の必要があることや、静脈投与であることで、少々取り扱いがしにくいようです。定期的に投与する必要があるようですので、このあたりの使い勝手が良くなるとさらに普及しやすそうです。
実際にAIMの投与実験に参加した猫ちゃんにも効果があったとか!
「昨年と一昨年、合わせて3回のAIM製剤の投与を受けて、そのたびに腎臓の値が改善しました。数値は徐々に戻ってしまうので、実用化を心待ちにしています」と優しく楽ちゃんをなでる。さらに、食が細い楽ちゃんが、AIM投与後旺盛な食欲を取り戻したことにも驚いたそう。「数年ぶりにご飯をねだられて本当に感激しました」と目を細める。引用 : 猫を腎臓病から救える! 進むAIM製剤の研究開発 猫びより 太字は筆者
うらやましい…最近、猫ちゃんが美味しそうにゴハンを食べたりミルクを飲んだりしている動画をみると、嬉しさの余り、眼がじんわりするんです…幾分かの寂しさとともに。ゴハン、ねだられたいなあ…
寄付金も続々!
このメディア露出を受け、ネットではクラウドファンディングを…という声も上がりましたが、東京大学が早々に寄付金受付ページを立ち上げました。私も威張れる金額ではありませんが、寄付を済ませました。
こちらの応援コメントにも、猫飼いさんの切実な声が寄せられています。寄付金は任意で金額を決められますので、この研究を応援したいとお感じの方は、是非とも(無理の無い範囲で)寄付をされるのがよろしいかと思います。
ただ、前々から2020年には…とおっしゃっていたこともありますし、なかなか進捗しない状況に、「やるやる詐欺では」という声もあるようです。私自身、ひょっとしたら次男猫には間に合うのではないかと思っていたこともあり、間に合わなかったことは本当に残念なのですが、
猫の慢性腎不全は、猫ちゃんのQOLに影を落とすのみならず、飼い主のQOLにも大きな影響を及ぼします。
こうした病気が世の中から無くなるかもしれないという「夢」に賭けたいと思います。
寄付も大きな反響も呼んでいますし、この調子だと本もベストセラーになるかもしれません。こうなると逃げられませんよ、宮崎教授!よろしくお願いいたします。
猫の慢性腎不全が無くなっても、癌やその他の病気が無くなるわけではないのですが、きっと平均寿命は伸びて、愛猫との暮らしが長く維持できるケースは増えると思います。
愛猫の三兄妹が全て腎不全になってしまった飼い主としては、猫の慢性腎不全という病気が無くなることを願って止まないのです。
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