猫を飼い始めた理由
それは簡単です。
拾っちゃったから。
それまでもまあ人並みより少し強めの猫好きだったんです。
飼い猫も居ないのに、住んでいたマンションの駐車場や、ちょいちょい行く公園で出会う猫たちにちょっと食べさせるためのクルマの中にはカリカリが積んであったり、当時はまだそんな言葉はありませんでしたが、お気に入りの野良猫にはTNRをやったりする程度には。
猫は飼いたいとは思ってはいましたが、猫を飼ったことは無かったし、当時住んでたのはペット不可の借り上げ社宅だったこともあって、せいぜい公園で野良猫をからかったり、ペットショップで仔猫を眺めたりする程度でした。
運命の出会いは突然に
忘れもしない、2002年の5月のある日、当時住んでいた自宅近くの公園でか細い仔猫の鳴き声が…
これで猫好きな方は分かるでしょう。
見に行かずにはいられない…
大体にして、猫好きな人種というのは独特のセンサーを持っていて、普通に歩いていても眼は野良猫を探しているし、耳は猫の鳴き声をキャッチできるようになっているもの。当時の私もそうでした。そこの公園には猫が居るのをしっていましたが、私が猫おばさんではないと分かると、ぷいっと行ってしまう猫しか居ないのも知っていましたし。
そこで仔猫の声がするのは、ちょっと普通じゃないなと思ったんです。
ヤカンに入れて放置されていた猫
耳を澄ますと、近くの植え込み付近から聞こえてきます。どうやら一匹ではないことが分かりました。親猫が茂みに隠しているのかな?
近づいていくと、低木の茂みの下に、給食で使うようなでっかいヤカンがビニール袋に包まれておいてあり、なんと仔猫の鳴き声はそこから聞こえてきていたのでした。複数の仔猫の声がしますが、甲高い声でぴゃーぴゃー鳴いてるのが目立ちます。
親猫が捨てたのではなく、人間が捨てたのは明らかでした。猫はヤカンに入るかもしれないけど、それをビニールで包むようなことはしないわけですから。
恐々、ビニールを外してヤカンをのぞき込んでみると、三匹の仔猫がいました。
茶トラ2匹とキジトラ1匹。オシッコとか雨か夜露かよく分からないけれども濡れそぼっていました。耳はなんだか知らないけれども顔の横についてるし、眼は目やにがついてて、見えてるんだか見えてないんだかよく分からない。顔も濡れた毛が余計にみすぼらしい感を加速しています。
むしろ、よくある捨て猫のように、ダンボールに「もらってください」と書いて、人目につくところに置いてあったほうが、まだもらわれる可能性は高かったと思います。猫の鳴き声がしなければ、ビニールに包まれたヤカンなんて、誰も中を見ようとは思わないですよ…
しかも、5月というと朝晩はまだ寒い季節。
「これでは今晩はもたないかもしれないなあ…(涙)」
当時住んでいたのは、ペット不可の住宅。それまで家で飼ったことがあるのは金魚や亀くらい。しかもいずれも短命で死んでしまいました…当時の私にはペットを飼うという選択肢はなかったのです。
そんな私でしたが、このまま、このか弱い仔猫たちを見捨てることは出来ませんでした。
「とりあえず保護しよう。そして里親を探して猫好きな人に飼ってもらおう」
まあ、ありがちで安直な考え方ではあると今になっては思えるんですけどね…ただ、あのまま放っておくとその仔猫たちの命が危なかったのは事実なのです。
捨て猫が天使になった瞬間
くどいですが、ペット不可の住宅なので、三匹が口々にぴゃーぴゃー鳴いてるのを「しーっ!静かに!」とか言いながら我が家まで連れ帰りました。
洗面所でぬるいお湯でハンドソープを泡立てて、身体の汚れを洗い落してすすいで、ドライヤーで乾かすと、
もう、毛がふわふわ。
眼や鼻についた汚れをふき取ると、そりゃもう、
可愛いのなんの…天使ですよ、天使!
三匹の猫を次々と洗ってはドライヤーで乾かすと、相変わらずぴゃーぴゃー鳴きながら、あっちこっちをよちよち歩いては、こてっと倒れて、ぷるぷるしながら起き上がるという、
猫好きでなくても悶える可愛さ!
しかし、幼猫なんて飼ったことが無かった私。ペットショップで並んでる仔猫ちゃんだって小さくても2か月歳くらいからです。
かわいいけど、どうしたもんか途方に暮れました。
今だったらSNSとかでヘルプすると親切な人が助けてくれたりするかもしれませんが、2002年にはそんなものありません。ペット不可のマンションなので、ご近所に猫の飼い方を聞くわけにもいきません。
そこで思い立ったのがまずは本屋。
仔猫を育てるためのハウツー本が必要です!
仔猫を飼おうとする方は、この手の本を一冊、本棚に入れておくことをおススメします。
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