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【猫】譲渡猫のトライアル考

1 猫
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「夜の運動会」でトライアル中止

Twitter界隈では、保護猫ボランティアの方が「『トライアル中の仔猫が夜に運動会をするので眠れない。返したい』と言われた」とご立腹でツイートし、賛否両論で大荒れになってました。

仔猫と暮らしたことがある私としては「さもありなん」と思いますし、仔猫を飼うということはそういうことを含めて楽しむ必要があると思います。仔猫は持ってるバッテリー容量は小さくすぐに電池切れを起こしますが、回復する時間も短く、なにより身体は小さいくせに発するエネルギーは爆発的です。仔猫は自分が起きている間、飼い主の時間や体力の全てを自分に捧げることを要求します。

デジカメの紐に延々とじゃれたチビ時代の長男猫

仔猫の生態

猫好きであったものの猫飼い経験の無かった私は、公園で見つけた生後2週間程度の三兄妹を保護して看取りまで経験しました。仔猫の可愛さはハンパなく、なにを見ても物珍しそうにしてじゃれつきますし、ゴハンを一生懸命に食べたりする姿はいつまでも見ていられるほどに可愛いものです。

その一方、仔猫は人間の言う事なんて聞きやしません。そもそも猫は躾とは縁遠い生き物ですし、すぐにどこかを探検し、そこいらにあるものは噛んで確かめ、登れるところは踏破しようとし、物は落として壊します。夜になると「ニンゲン!なにを寝てるですか!起きて相手してください!」と喚き、放っておくと兄妹で走り回って大運動会です。「夜は静かに眠るもの」と思っている方は仔猫を飼うべきではありません…

また、昨日まで出られなかったダンボール箱も翌日にはよじ登って脱走して好き勝手にやらかします。留守番している猫のために急いで帰宅してリビングのドアを開けたらチビの三兄妹が箱から出ていて「おかえりー!あそぼ!あそぼ!」と足元にまとわりついてきた時はたまげました。仔猫は日々成長するのだと感じるとともに、飼育環境についても考えさせられました。

猫飼い経験者と初心者には差がある

私自身としては、三兄妹を迎えた時と現在とでは猫と暮らす経験値や知識は今の方が高いでしょうが、体力や気力に関しては比べ物にならないくらいに低くなっています。なので、次男猫を看取った後に新たに猫をお迎えしようとした時に、「仔猫」を迎えるという選択肢はありませんでした。

体力が持たないですもん。

ここ数年、シニア猫の三兄妹と暮らしていて穏やかで静かな生活に慣れていたというのもあります。仔猫の「構って!遊んで!」攻撃を到底叶えてあげられそうにありませんでした。

姫ちゃんは2〜3歳ということでお迎えしましたが、それでも夜の「ねー、遊んでよー、ねー」の無駄鳴き(本猫としては無駄鳴きではないのでしょうが)には手を焼いてるくらいです。女の子ということもあってか、姫ちゃんの夜の運動会はたまにある程度です。なお、無駄だとは思いますが度を過ぎた場合は結構キツめに叱ります。「あ、叱られる!」と思うと止める時もあれば激しく逃げていくこともあります…

仔猫を迎えるご家庭は、猫が成熟するまでの2〜3年は家族で夜も構ってあげる覚悟が必要だと思います。あるいはケージで鳴いても喚いても知らん顔で寝るか…三兄妹の長男猫と長女猫も夜にケージを出してあげるようになったのは2年以上経ってからです。(次男猫は幼いころから賢かったので1歳になる少し前から人間と寝ていましたが)

仔猫はそりゃ可愛いです。仔猫から育てたいという気持ちもよく分かるのです。ただ、仔猫を飼うということは人間の生活にそれなりに犠牲を伴うものです。仔猫をお迎えするときにはそのご覚悟を。

猫の譲渡って難しい…

保護猫の保護主さんとしては保護して一生懸命愛情を注いで育てた猫ちゃんを良いお家に届けたいと思うのは当然のことだろうと思います。

初めて猫を飼うという方はそこまで思いが至らないのは当然のことで、むしろ「猫は散歩にも行かなくていいし飼うのは簡単。躾けたら言う事聞くでしょ」と思っている方は多いと思います。

猫を飼ったことがある方にとっての「当たり前」は、猫飼い初心者にとっては「当たり前」ではありません。「この猫との暮らしを学ぼう」という方もいらっしゃれば、「なんて言うことを聞かない猫なんだろう」と思う方も少なからずいらっしゃると思います。猫なんだもの、言う事聞かなくて当たり前なんですが。長く一緒に暮らしているとそれなりに呼吸が合ってくるだけで。

譲渡会のサイトなどを見ていて、保護主さんの譲渡において厳しい条件を設定されている方もいらっしゃいますが、それだけツラい思いをされた経験があるんだろうなとお察しします。ただ、高齢者が何歳からかにもよりますが、「高齢者NG、単身者NG」と書かれると該当者としては結構キツいものがあります…しかしながら、自分が保護主だったらと思うと文句は言えないな…

ウチの姫ちゃんについては、お迎え後にお子さんが猫アレルギーを発症、次は先住猫と相性が合わずと2度のトライアルに失敗しているそうです。保護主さんとしてはガッカリだったと思いますが、その2度の失敗の結果として我が家に来てくれることになったので…

先だっての「夜の運動会」でトライアル中止の件については、該当の里親候補の方は二度と猫を迎えようと考えないで欲しいです。そして、そんな里親候補に猫を託した保護主さんにキツく当たるTweetもよく目にしますが、人間なんてちょっとやそっと会話したくらいでは分からないものですから…保護主さんには「そんなお宅に貰われなくて良かった」としか言えません。

自分が保護主だったとしたら「一度でも自身で猫を看取ったことのある人」に託したいかなあ…。

コメント

  1. 猫乃三時 より:

    最後の一行、
    『自分が保護主だったとしたら「一度でも自身で猫を看取ったことのある人」に託したいかなあ…。』
    これホント、そう思いますよね。

    「渡す」のではなく「託す」ってのが保護主さんのお気持ちなんだと思います。

  2. たけ たけ より:

    猫乃三時さん、こんにちは。

    このブログを書きながら、自分が譲渡主だったらどういう方に「(まさに)託したいか」ということを考えてみました。

    家族が多いこと?若いこと?経済的に裕福なこと?

    それらも要素としては重要だとは思うのですが、やはり看取った経験があって「次こそはもっと上手く暮らしたい!」と思ってる方かなと思うようになりました。そして、初心者には託したくないなあ…(笑)

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